マスターズで疲れたから、ちょっと別なお話し。
居酒屋で見掛ける「オバサン」たち...総じてそこらに居るオッサンやジーサン達より、元気で陽気で逞しい。
...オバサン同士で飲みに来て居る人達の話しだが。
まあ、「オバサン」と行っても大体は俺より下の年齢で、男ドモに比べれば少し華やかに着飾っている。
(男らは着古した背広か普段着よりちょっとマシなものを着ているのだが、大体寒色系の薄ら寒い地味な色合いの服ばかりだし、顔もそれなりに疲れていて一人黙って酒を飲む系が多い。)
そんな客の大半を占める地味で暗い男たちの中で、別に人生を語っているわけでも無さそうなオバサンたちの話し声が元気に響く。
「うるさいなあ」という感じで隣を見た男に対し、「何か文句ある?」という感じでオバサンが胸を反らせて顔を向ける...「いえ、なんでもありません」という感じで、隣のオッサンは目を伏せて背を丸める。
「花の命はあんなに短いのに、ドライフラワーになっちまうと無敵なんだよな...」
なんて考えて、俺は読みかけていた本をまた読みはじめる。
男と一緒に来ている同年代の「オバサン」は、それなりに女らしくていい雰囲気なのに、何故に集まったドライフラワーってあんなに無敵の強さを誇るんだろか?
それに引き換え枯れたススキの男どもって、何故にみんな一本ずつで風に吹かれてただなすがままに揺れているんだろか?
まあ、「風になすがままに吹かれて揺れるススキの方が、無理して頑張る大木よりも多分きっと酒が美味い」だろうとは、俺は思っているんだけれど。