ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ゴルフの神様

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自分は特に信じている宗教なんて無い。
でも、無宗教ではあるけれど無神論者ではない。
どちらかと言えば仏教に近い考え方ではあるけれど、唯一神を信じる宗教には近付きたくないと思っている。
そういう自分の立場が一番近いのはアニミズムだろう...精霊信仰とも言う、山や海や自分よりも遥かに長い時を生きている樹木や、昔の人達が何かしらの力を感じた場所や、自分がふとそういう力を感じたモノや形などに霊魂や精霊、あるいは高次の存在を感じる気持ちのあり方に共感している。

まあ、簡単に言うと唯一の絶対神なんかじゃなくて、この日本にいらっしゃるヤオヨロズの神々を信じているという事。
願いはするし、祈りはするが、あてにはしない。
苦しい時の神頼みはするが、外れたからって恨みはしない。

そんな(俺の信じる?)神々の中に、ゴルフの神様ってのがいらっしゃる。
ゴルフを始めた頃から、あまりの運不運の大波小波「酷いアンラッキー!神も仏もあるものか!」「なんてラッキーなんだ!奇跡だ!」...なんて事ばっかりだったので、ゴルフの神様ってのは絶対にいると思う様になった。
そんなゴルフの神様のイメージは、初めは皮肉屋で意地悪で頑固でちょっと怖い表情の老年に達した男の姿だった...昔のイギリスの写真にあるような、古い背広を着てハンチングをかぶり、豊かなひげを蓄えていて眉間に皺を寄せたあまり笑わない顔...時折、ニヤッと笑ってウィンクをくれたり、尻のポケットに入ったウィスキーをあおりながらジョークも飛ばす...

が、長い事ゴルフを遊んでいると「いや、違うな」と思う様になった。
このゲームの良い意味でも悪い意味でも感じる、「ありえねえ!」って感じは単純な男に(年をとっても、男ってのは基本シンプルだから)出来る事じゃない。
これは女の意地悪やえこひいきや、惚れっぽさや未練の切り方や冷酷さに近い...男ってのはこんな風にドライにはやれないもんだ。

まあ、だから主に男がこのゲームにハマるとも言えるんだけど...近年レディスゴルファーが増えて入るけど、基本ゴルフに熱中するのはやっぱり男が殆ど。
男ってのは、見栄や痩せ我慢で胸はって偉そうにしているけど、女に比べりゃ簡単に身の程知らずの甘い夢見るし、根拠の無い自信をすぐ持つし、裏付けの無い開眼ですぐゴルフを舐めるし...そのくせ、未練はいつまでもタラタラで、落ち込む時はどこまでも意気地無く、自己嫌悪と自己憐憫と果てしない後悔でいつまでもウジウジしている。

話は逸れたけど、長いゴルフ歴でゴルフの神球ってのは絶対女だと思う様になった。
それも初めは老年の「意地悪ばあさん」みたいなのがゴルフの女神かとも思っていたけど、最近は酸いも甘いも知っている中年熟女のいい女が「ゴルフの女神」だと確信している(若い女の女神では、こんな複雑な役目は勤まらない)。
だって、のぼせているゴルファーに対する「アンラッキー」の平手打ち、真面目に努力して壁を越えようとしているゴルファーに対する「試練」のパターンの豊富さ、そして何もかも上手く行かないと落ち込んでいるゴルファーに対する「ちょっとご褒美」の「ラッキー」な贈り物...だから、ゴルフを始めた人は経済的な事情や健康の事情が許されなくなるまでは、まずゴルフをやめない...やめられない。

そしていろいろと経験を重ねたゴルファーは、そんな女神のやり方が少し判って来て、「そろそろ、アンラッキーの一発が来るな」とか、「そろそろ不運な自分にも、耐えているご褒美をくれるはず」なんて考える様になる。
ゴルフの女神の存在を、身近に感じる様になるのだ

以前、私のゴルフ生活で(自分のゴルフの神が降臨する)「神が来てくれた日」というのがあった。
競技をやっている頃には、2~3ヶ月に一回。
その後は季節に一回...更に後でも年に一回はそういう日があった。

その女神が来てくれた時は、まずパットが入る...信じられないくらいに短いのを外さない。
ワンピンも殆ど入るし、3パットなんて無くてどんなロングパットもOKに寄る。
グリーンをまず外さず、外しての難しいアプローチもピンに寄る。
ティーショットが少しくらい曲っても、かならず「振れる」ところにボールがある。
(OBに行ったボールが、木に当たって帰って来てセーフになるなんてのは、ただのマグレ)
そして、大概スコアは自己ベスト更新とかOBがあっても片手オーバー以内。
50代になって競技をしなくなってからも、年に一度はそんな日があって、その日がコンペや競技の日だとブッチギリの優勝になった...大抵は遊びのラウンドだったけどね。

しかしここ数年、彼女は来てくれなくなった。
「いつかは来てくれるさ」なんて思って、もう5年くらい経っただろうか。
相変わらずパットは入らないし、ティーショットはトラブルが多いし、アプローチも寄らない。
もう俺の女神は、俺の事を忘れてしまったのか?
鏡に映るジジイの姿は、魅力的な熟女の女神の眼中から外れてしまったのかもなあ...


25・26と漫画家仲間の「タコスケカップ」が京カントリーとイーグルレイクで行われる。
25日夜の忘年会がメインだけど...バレンタインカップが一年間いいとこ無しだったから、今年最後に一花咲かせたいんだけど...
今回は俺なりに、MOIマッチングさせたアイアンを武器にクォーターショットのゴルフで、久しぶりの神の降臨したゴルフにしたいのに、女神の姿が感じられない。

昨日、練習...ちょっと右脇腹を痛めたけれど、ほぼゴルフやるのに問題無し。
自力本願真面目にプレー、お手軽神頼みしないからさ、俺のゴルフの女神さん...ちょっと久しぶりの投げキッスでもくれないか?