ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

2018年マスターズ 4日目

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マスターズの女神というのは、実に意地が悪い。
すぐに手が届きそうなところに宝物をぶら下げながら、手を伸ばすとひょいと紐を釣り上げて楽しそうに笑っているような気がする。

最終組の二人はともにスタートホールのティーショットをミス。
より条件が酷かったマキロイがパーを拾い、リードはボギー。
ここで3打差。
2番パー5でマキロイは素晴らしいティーショットで、残りをミドルアイアンでワンピン以内のイーグルチャンス。
一方リードはミスに次ぐミスでパーも危うい。
イーグル・ボギーなら、2番ホールでもう並ぶ。
俺としては「ああ、やっぱり...2ホールで4打差が無しになるか」...これで予想通りマキロイの優勝で決まりだな。
ところがこの大チャンスの短いパットをマキロイは外す...その後はマキロイはずるずると落ちるだけで、もう2度とチャンスが来ることはなかった。
リードはボギーを打って崩れそうになるとすぐにバーディーを取って耐える。
このバタバタの状態でアウトをパープレーというのは、考えようによっては「よくもまあ、あれで1打もスコアを落とさないで耐えたもんだ」とも言える。

それに比べて予想外のスコアを出してきたのがジョーダン・スピース。
「アウト5アンダーで10アンダーになればチャンスあり」とは思っていたが、まさかそれを上回る勢いでスピースが延びてくるとは。
しかし、コースレコードを更新する勢いでスコアを伸ばして来たスピースも、最後に女神には選ばれなかったようだ。
最終18番では、「君はここまで」と言うようにティーショットを木に叩き落とされ、ボギーとなって終了。

前半耐えていたリードは、アーメンコーナーでも耐え抜いて、16番のバーディーでやっと最終日のスコアを1打伸ばす。
残り17・18番もアップアップしながらもパーを必死で取り続け、前日までの貯金のおかげでファウラーに1打差で初優勝を飾った。

ファウラーは、チャンスでともかくパットが入らなかった。
ショートが多く、打っても一筋の違いが修正されず、一打届かなかった。
しかし、安定感では一番だったので、今年の残りのメジャーは期待できる。

パトリック・リードと言う男は子供の頃からタイガーファンで、最終日をいつもタイガーと同じ赤のシャツにして一部のファンから顰蹙を買っていた、というのは有名だった。
しかし、このマスターズ最終日の「勝負服」はピンク...「おや、縁起を担ぐので有名なこの男も自分のこだわりを捨てたか」なんて思っていたら、ライターの船越氏が書いていた。
タイガーと同じウェア契約をしているので、「タイガーが出場している試合でタイガーと同じ服装は禁止」と言われて、止むを得ずピンクのシャツを着る事になったんだとか。
しかし、このおかげでリードには「最終日の勝負服はピンク」という新しいこだわり・縁起担ぎが確立されて、これからは「パトリック・リードの最終日はピンク」ということが知れ渡るのは良いことじゃないか?


ファンから、やっと主役になったんだから。