ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

あなたはどっちだ?

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腹が減っている。
やっと頼んだ料理が出て来た。
さ、あなたはどう食べる?

ケーキにすると分かりやすいかもしれない...イチゴのショートケーキだ。
もちろんイチゴが大好物として、何から食べる?

うちの二人の娘は、血液型は同じなのに性格は正反対(仲はずっと良いけど)で、その行動が測ったように逆になるのが実に面白い。
長女はまず好きなものから食べる。
次女はいじましく一番の好物を横に避けてから、嫌いなものから食べていって最後に嬉しそうにイチゴを食べる。

俺と長女は同じ...お腹の一番空いている時に一番好きなものを食べるからその味をより美味しく楽しめる、と最初に食べる。
うちの奥さんと次女はまず嫌いなものから食べて行って、一番最後に一番美味しいものを食べて終わるから、本当に「美味しかった」と幸せになれる、と最後に食べる。

この次女と奥さんの「美味しいものは最後に食べる」という行動様式...理解はできるが、俺は絶対に変えた方が良いと思っている。
実際にこの次女は小さな時から、「最後に楽しもうと取っておいたもの」で....例えばアイスクリームが溶けて落ちてしまったり、横によけておいた一番の好物が「食べ残し」として片付けられてしまったり、ほかの嫌いなものでお腹いっぱいになって一番の好物が食べられなかったり、と俺が腹を抱えて笑う「悲劇」を散々やらかしてくれて来た。
だが、散々痛い目にあってもその行動パターンは今も変わらない。

その性格はうちの奥さんから引き継いだものだから、当然うちの奥さんはそのパターンを頑固に続けている。
そしてそれは食べ物に限らず、すべての生活においてだから俺とリズムが合わない事が多い。

まあ、先行きが全く見えない「フリーのイラストレーター」の妻としては、その性格は生きて行く上ではフラフラと飛んで行く風船の「重り」となり、明日をもしれぬ生活の「保険」となってきたのかもしれない。
(同じ性格だったら、きっとどこかで「空中分解」してた気がする)

しかし、今はそうも言ってられない、と思う。
もう美味しいものを「あと」にとっておく、その「あと」が残ってない。
早くに逝ってしまった友たちが、「今、出来るうちに楽しめ」と教えてくれている。
例えば、食べる事も旅する事もゴルフをする事も...
体が動くうちに、なんとかお金のあるうちに、遊べる時間のあるうちに...俺たちは時間が経つほどに、楽しむことが難しくなって行くんだから。

刹那的だと言われようが、楽しめる時に楽しまなければそういう時間はもう再び来ないかもしれない。
老後のことを若い時から考えて、しっかり人生設計して十分楽しむ準備をしていたいた俺の妹は、その楽しみを始める前に癌で死んだ。
人生は思う通りにはならない...だから今その機会に感謝して、絶対に最初に好きなものを食べることだ...俺はしみじみそう思う。



で、俺の老後は?   

って、なってみなけりゃ分からねえ。
ただ他人に迷惑かけない事だけ願って、覚悟だけはしておく。

それだけだ。