ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ミケルソンするんじゃねえよ!

イメージ 1


これは、ちょっと前に行われた漫画家コンペでの会話。

ワイワイ楽しくやっていたプレー中、来年の新ルールの話題になった。
一緒に回っていたのは同年代の原作者と漫画家、それに10歳ほど若い漫画家。
彼らはそれぞれゴルフ漫画を描いていたり、原作を書いたり、ゴルフには普通の人よりずっと深く関わり知識も豊富な人達だ。
最近でこそプレーそのものには一時期の熱は感じられないが、多分生涯ずっとゴルフと関わっていくだろう愛情は感じられる。

そんな間で来年のルールの話題になった時、そのルールのイラストも描いている俺が「今回のルール変更のキモは、プレーのスピードアップと複雑になったルールの簡素化だよ」「その基本的なスタンスは『ゴルファーの誠実さ』を信用することにある」と説明した。
ゴルフの原点である「審判のいないゲーム」...つまり、インチキしようとすればいくらでもできるゲーム...だからこそ、ゴルファーが誠実に正直に判断してプレーすることでゲームが成立する。
流石に彼等はゴルフに対する知識も情報もちゃんとあり、その辺は既によく理解していた。
そこに出て来たのが「だからミケルソンのような事をやっちゃイカンのだ!」という言葉。
そんなことを思っているのは俺だけだと思っていたのに、この3人は「あれでミケルソンを失格にしなかったのは、PGAがゴルフルールを一番ないがしろにしている証拠だよ」「失格じゃねえよ、あれはゴルファー失格で除名だよ」「あの行為を批判しなかったスピースもマキロイも同じ穴のムジナだ」「俺はあれでプロゴルファーってやつにほとほと失望したね」なんて...出るわ出るわ。
まあ、同じ世代のゴルファーとしても、そこまで同じ様な気持ちでいたとは知らなかった。
あれが「2打罰承知」を前提に許されるならば、OBに転がって行きそうなボールを止めたり、池に入りそうなやつを先回りさせて止めたり、難しい下りのパットをカップの横で止めたりなんでも出来て...そんなものがゴルフと言えるか?
それが自分たちが熱中してきた「ゴルフ」だなんていわれたら、みんな「もう、ゴルフなんてやらねえよ」という意見で一致した。

だから、ルール的に「?」なんて場面で、冗談に「おい、ミケルソンするなよ!」なんて言うと、マジに「俺はミケルソンなんてやってねえ!」と返ってくる。

あ~あ、ずいぶん長くプロとしてやって来て、それなりの実績も残して、あの事件までは「いいゴルファー」と思われていたミケルソンが、遠く離れた日本の名も知れない一般ゴルファーの間で「ルールを悪用してスコアを作るホンモノのゴルファーじゃない男」の意味で名前を残す事になるとはねえ...

俺も、間違ったり知識足らずでルール違反をすることはあっても、絶対に「ミケルソン」だけはしないようにしないとなあ。
だって、俺はヘタクソでも腐っても「ゴルファー」で居たいもの。