ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

痩せた野良猫

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全米オープンを見ていたら、雷中断のあと順延だってさ...

そんな朝、最近よく庭を横切って行くボロボロの野良猫が網戸の外に来た。
白い毛は汚れて灰色に近く、あちこちに喧嘩傷があり、痩せていつも悲しそうな目をしたオス猫だ。
何も悪さをしないで、ユズに見ている網戸をチラと眺めて通り過ぎて行く猫。
そんな猫が何故網戸の外にじっとしているのか...うちの奥さんに聞くと、この猫もあまりに腹が減っていた為かユズのトイレの砂を齧っていたのを見て、そのボロボロに痩せて傷だらけの姿に涙が出て来たんだと言う。
それで、哀れに思って思ってユズの餌を少し分けてあげたら、食べたくてしょうがないだろうに人が居ると遠くから見ているだけで、手を出さない...家に入って見ていると、やっと恐る恐る近付いて来て静かに食べたんだとか。
無責任に餌付けする訳にもいかないから、時々少しずつ餌を上げていたら一日に一回くらい静かに網戸の前で待っているようになったらしい。
全く鳴かないで静かに座っているので、ユズは興味津々で鼻を近づけて行く。
その猫は争うつもりは全く無く、背中を見せてじっとしているのだけど...網戸のこちらでユズが盛んに鼻をヒク突かせて音を立てているとたまに「フー!」と一声上げてユズを追っ払う。
途端にユズは驚いて飛び下がり、机の隅に頭をぶつけながら吹っ飛んで逃げて行く...が、少し経つとまた近付いて行ってびくびくしながら、鼻をヒクつかせてなにやらと...

そんな風にたまにユズに対して「フー!」なんてやっても、すぐにまた静かに座って「私は敵意はありません」って顔でうちの奥さんを見上げる。
この猫は野良猫生活が長く人に虐められて来たようで、人を凄く恐れていて決して1メートル以内には近付かない。
座っていると判らないが、経つと背中やあばらの骨が浮き出るくらいに痩せている。

ユズじゃあ三日も生きてはいけない様な野良猫生活を続けているこの白猫、これからも生きて行くのは大変だとしみじみ思う...
もちろんうちで飼うわけにはいかないんだけど。


この猫は今でも、餌をやる時にも決して近付いてはこないそうだ。