ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

「右を向く」問題

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「スタンスの向き」と言う問題は、勿論アベレージゴルファーに普通にある問題だが、この(右利きのゴルファーが)「右を向いてしまう」と言うのは、シングルハンデのゴルファーや上級者にも結構多いトラブルだ。
このトラブルの問題は、本人が「ちゃんとスクエアに向いている」と信じ込んでいるのに、実際はかなり自分の思っている方向より右を向いているというところ...他のミスは上級者なら自分で気がつく事が多いのに、これは気がつかない人が結構多い。

最初に断っておくけれど、私は「スクエア」であれば一番良いとは思っていない。
スイングのタイプや身体の老若・柔硬・筋力などに寄って、スクエアよりもクローズやオープンの方がいいゴルファーも沢山居る。
現実に私も年と共に、だんだんオープンスタンスからクローズドスタンスに変えて来ている。
問題は自分が「スクエアだと持っているのに実際はクローズになってしまって、本人がそれに気づかない」と言う所なのだ。
上級者に多いのは、ボールの位置がだんだん中に入って来てそれによってだんだん右に向くようになって行く...これは卵が先か鶏が先かと言う問題と同じで、右に向いてしまう事によってボールが中に入って来るとも言える。
ハンデ5とか6のレベルでも、ラウンド中にだんだんボールが中に入ってしまい、スタンスが右を向き、それによってラウンドが進むに従って引っかけや打ち損ねのミスが多くなると言う人は結構多い。

長くレッスンのイラストなんかも描いて来て、その辺の事は多くの有名レッスンプロに聞いて来た。
その中で自分で納得出来たのが、イラストに描いたように、人間の感覚の限界と錯覚が原因と言う事。
スクエアスタンスと言うのは、ボールの目標線とスタンスが平行であると言う事は誰でも知っている事。

科学的にはスタンスとボールの距離が1mであったとしたら、スタンスは目標の1m左側(右利きの場合)だと言う事は正しい...つまり、電車の線路がずっと向こう迄続いていて、それがボールとスタンスの関係だと言う事イメージだ。
そのイメージは手前から遠くなるほど小さく狭くなる「遠近法で見る風景」。

しかし、考えてみて欲しい。
100y以上離れた距離の先のポイントとその1m左...見えるのはその2地点が殆どくっついた風景ではないだろうか?
人間の感覚では、この場合普通にやや右を...つまりピンの方向を向いてしまうのはしょうがない。
これをスクエアと判断した脳は、何度もそれを重ねるうちにだんだんその度合いが強くなり、いつの間にか右を向いている自分を「スクエアに立っている」と誤解してしまう。

遠近法では離れた場所の1mは判断出来ないのだ。
ではどうするか...長方形の図形を考えてみる。
その図形を自分の構えの後方線上からかぶせてみる。
その左右の辺をスタンスとボールに合わせて長方形の図形を見ると、垂直に立った2辺の片方のラインを目標、もう一本のスタンスを通るラインの向いている場所を向くようにすると、スクエアに立つ事が出来る(これは実際には目標から5yから10y以上離れた場所である)。
試しにスタンスとボールの向いている方向に合わせてクラブを置いてみると、2本のクラブが平行になっているはず。
厳密には平行ではないはずだが、こうして構えると右を向かずに普通通りのスイングが出来、ボールの位置も中に入って来る事はない。

これは実際に、ラウンドが進むに連れて極端に右を向いてしまって、だんだん酷いミスが多くなるクセのあるうちの奥さんにやらせて上手く行っている。
勿論クローズドスタンスにしたい場合は、これを一旦決めてからボールを中心に左に回るようにすれば、いつも同じスタンスにする事が出来る。

(スクエアのつもりで)無意識に右を向いてしまうと、1・ボールの位置が中に入って、2・スイングを窮屈に感じ、3・引っかけ球が多くなり、4・その度合いがだんだん酷くなる。
調子がそんなに悪くないのに気持ち良く振れずにミスが多い時には、試しに自分の向きのチェックをした方がいい。
プロでさえ、いつもコーチやキャディーに自分の向きをチェックしてもらっている事はみんな良く知っている事だろう。
ある程度上手い人のミスは、殆どがスタンスの向きに原因があると言う事も良く聞いた。


ただし、これも素人の独り言。
聞きかじった事を書いているだけで、これでドツボに落ちたとしても、私はなんの責任も取りません(笑)。
確実に問題を解決したいなら、信用の出来るレッスンプロにきちんと教えてもらうべきで、そこにクラブに掛ける程には投資をするべきです。

彼等は、そのための「プロ」ですし、それが結局は一番の近道ですから。