ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

2015年「マスターズ」4日目

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「零時過ぎからの中継8時間!」なんてのに釣られてずっと見てしまったが、3時過ぎ迄寝てれば良かった...おかげで寝不足で頭がボーッとしている。
自分で録画したものを、あとで見ようとしている人もいるだろうからあまり速いアップも悪いと思って、こんな時間のアップになったが...

今年のマスターズは面白かった。
優勝争い以外では松山がノーボギーの66でまわって、スタートさえ悪くなければ十分優勝争いを出来る能力を持っている事を周囲に認めさせた。
テレビ局や雑誌の宣伝文句での虚像ではなく、今日一緒にまわったD・ジョンソンにもスコアで勝ったんだから実力は本物だ。
以前よりプレーも速くなったように見えるし、ミスした時の表情が醜くないのがいい。


J・スピース、本当に強い。
アウトでJ・ローズに何度か3打差に詰め寄られ、自身もミスショットを重ねて「バーディーボギーなら赤信号が灯る」なんて場面でも、素晴らしいリカバリーショットとB・クレンショーが絶賛したと言うパットの上手さで切り抜けた、その粘り腰には驚いた。
平均飛距離が63位・フェアウェイキープ率が88位・パーオン率が81位なのに、平均ストロークが1位・バーディ率が2位・パーブレーク率が2位なのは、なんと言っても平均パット数が1位(1・673)と言うパットの上手さによる。
実際に今回のマスターズでは、何度か短いのを外しはしたが「ここは!」というパットは全て入れて来た。
少し前に世界1位となったあのL・ドナルドに似たタイプに見えるが、スピースの方がより「強さ」を感じる...ドナルドはどちらかと言うと「クールな精密機械」のイメージだったけど、スピースには(感情を表に出さない様にしてはいるが)もっと熱い闘志を感じてしまう。
それはボギーを打った後のバーディー以上での取り返し(バンスバック)の確率が非常に高い事に表れていると思う。
去年リードした直後に崩れ去った経験が、今年の気持ちの持ち様にプラスになったらしいのは本当に良かった...今年また逆転されたらそれは大きなトラウマになってしまって、過去に何人もいる本当に強かったのに(メジャーで)勝てなかった無冠の強豪と同じ存在で終わってしまったかもしれない。
このマスターズの勝利で、スピースはあと10年くらいはマキロイと好勝負を続けて行くんじゃないだろうか。

そのマキロイは、最終日松山と同じこの日のベストスコア66をマークして、12アンダー4位。
二日目に3オーバー迄落として、予選カットの不安さえあったような「出遅れ」が痛かった。
ミケルソンは十分にコースを知り尽くしている強みで、じりじり順位を上げての2位タイ...でも、もう3回勝っているんだからこれでいいじゃない、というのが俺の意見。
J・ローズ...17歳で天才と言われながらメジャー1勝に15年かかった苦労人は、パットの差で負けた...彼には全英オープンで優勝して欲しい。

そして、今日の試合...アウトで酷いトラブルからスーパーリカバリーを見せたローズに対して、スピースが見せた「サムズアップ」...かってA・スコットに対してA・カブレラが見せたサムズアップと同様、シビアな戦いの中で見せたスピースのゴルファーとして人間としての資質に好感を感じさせた。

そしてタイガー...なんとか今度こそ復活しそうだ...が、松葉の上から打ったショットで隠れた木の根を叩いたために右手を痛めた時には心配した。
最終ホールではもう大丈夫なようだったけど。
タイガーが一番勝ちやすいのはマスターズだろうから、一年間何処も痛めずに無事だったら来年はひょっとするかもしれないなあ...



そういえば、俺の記憶に無いだけかもしれないが....タイガーが「サムズアップ」で同伴競技者の好プレーを称える、と言う仕草をしたのを一度も見た事が無いってのは....