ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

2016年全英オープン4日目

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面白い試合だった。
3位以下を10打以上離しての「別世界二人旅」だったから、一方が崩れる事無くお互いに伸ばし合う試合は見ていて面白い。
多くの場合はどこかで一方が大きなミスをして、勝負の流れが決まってしまうものだけど...こうしたメジャーの試合では、かってのパーマー対ニクラス、ニクラス対ワトソンの「帝王交代」の名試合や、ニクラスに迫った青木の試合等と並ぶ、ゴルフ史に残る様な名勝負だったと思う。

なにしろ2位に終わったミケルソンのスコアは、1イーグル4バーディーでボギー無しの65!
何度かあったトラブルを驚異的なアプローチとパットで切り抜け、ノーボギーでのラウンドは迫力があった。
そのミケルソンに競り勝ったステンソンは、10バーディー2ボギーの63!
たった二つのボギーがいずれも3パット....しかし,奇跡的な長いバーディーパットを何度も入れての10バーディー。
パットで崩れてパットで浮かび上がったラウンドだった。
特に二人の「マッチプレー」となった流れの中で、二人の順位を動かしたのは「ピン近くにつけたミケルソンより長いパットを先に入れる」という、マッチプレーの勝ちの方程式を成功させる勝負強さ。
この結果、より近いパットをミケルソンが入れられずに順位が動いた。

初のメジャー勝利に緊張するかと思ったステンソンには運も味方した。
最終ホール2打差で迎えたティーショット...3wで届くはずが無いと言う310yのバンカーに,アドレナリンが出てしまったステンソンのボールは転がって行く。
ここに入れればダボもあると言うバンカーの僅か手前でボールは止まった...多分ここであの性悪な女神はステンソンに味方したんだと思う。
見事なラウンドだった。

多くの有力なゴルファーに、予選の二日間で優勝争いに参加もさせられない様な「不公平」を与えた女神は、好運に助けられた二人のゴルファーにこういう落ち着いた名勝負をさせたかったのかもしれない。
結局、3日目からこの二人以外は誰一人この勝負に参加出来ず、優勝争いと違う世界でゴルフをしているしかなかった。

D・ジョンソンに続いて、また一人大化けしそうなゴルファーが覚醒した。
少し前迄、スピース・デイ・マキロイが現代のビッグ3なんて言われていたが、今やそれにD・ジョンソンやこのステルソン、それにB・ワトソンらが加わって,まだまだ戦国時代が続く様相になって来た。
もちろん「死んだ振り」してたミケルソンがこんなゴルフをするんだし、1回当たれば大きくジャンプアップしそうな「老若の無名」もゴロゴロいるのが見える。
来年のマスターズ迄に,プロゴルフの世界はどんな風に変わって行くのやら。



全米プロやライダーカップには興味が無いので、今年のトーナメント観戦は来週の全英シニアで終わり。
(舞台があのカーヌスティーなので見る気になった)。

そして、早く足首を治して自分のゴルフを楽しもう。
やっぱり、ゴルフってのは観戦するより、自分がやるドタバタゴルフの方が「絶対に楽しい」からな。