ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

2015年「マスターズ」3日目

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あららと見ている間に、期待していたD・ジョンソンとP・ケーシーはスコアを伸ばせずに沈んでしまった。
D・ジョンソンの場合はアメリカツアーで一番の爆発力があると思うので、まだ無いとは言えないが...実際の所3日目に伸ばせなかった時点で消えたと思う。

伸ばしたのはミケルソンとJ・ローズ...共に5アンダーは見事だと思う。
が、ローズはともかくミケルソンはもうグリーンジャケットを3枚も持っているんだから、「もう勝たなくてもいいよ」というのは俺の勝手な希望。
勝てばずっとマスターズに出場が出来るという権利はあらゆるゴルファーの夢だから、一人が何度も勝つよりいろんなそれを望むゴルファーに勝ち取って欲しいと思うんだよなあ。

21歳の若者が、何の障害もなく1日目から独走状態のまま勝ってしまうのはゴルフを甘く見てしまうのでは...なんて、いらぬ親父のおせっかいみたいな気持ちでこれ迄見て来たが、ここ迄来たら記録を造りながら優勝して欲しい。
そんなスピースが、17番でおかしくなった。
なんて事無いアプローチを、当たり損ねのショート...アプローチパットも寄らず、1メートルが入らずのダボ。
18番はスーパーアプローチでパーにはしたが、フェアウェイからの右プッシュのセカンドがおかしい。

こんな風景は何度も見て来た。
それ迄完璧だったゴルフが、優勝が近づくに連れて狂ってくる。
まず手が動かなくなる...動かそうとする意識がそれ迄バランスの取れていた体全体の動きを狂わせる。
...スピースはプレッシャーに強いと言われているし、自分でもそう思っているのかもしれない。
しかし、昔岡本綾子が「プレッシャーに強いという人の殆どは、それ迄プレッシャーがかかる場面に出会った事が無いだけだ」と断言していたのを思い出す。
つまり、「今迄プレッシャーを感じた事が無い」という人は、単にその人が本当にプレッシャーを受けるような大事な場面に出会った事が無いというだけ、だと言うのだ。
それは俺が今迄のゴルフ人生で、仕事柄プロアマ問わず多くのゴルファーを見て来た結果を考えても、真実だと思う。
スピースにとっても今迄はそうではなかったが、いざ本当に「マスターズの優勝」というのに手が届いたと思った瞬間「初めて」プレッシャーというのを体感したのかもしれない。

4打差のリードは絶対にセーフティリードではない。
2ホールでひっくり返る差でしかない。
今日は眠れるだろうか...明日、落ち着いてラウンド出来るだろうか。

しかしこれで勝てれば、マキロイと並んで次世代を背負うスーパースターの誕生となり、あと10年は二人の話題がゴルフ界の中心になるだろう。

後を追うゴルファーでは、あまり知らず興味も無かったチャーリー・ホフマンという38歳のゴルファー...彼のゴルフが面白かった。
ティーショットを除く殆どのショットで、フォローを低く納めた狙い撃ちのコントロールショット。
何だか昭和のゴルファーにも似た、パンチショットや曲げて抑えるショット...グリーンを狙うショットは殆ど曲げて攻めて来るようだし、スピンもコントロールしている。
派手さは無いが、こんな球捌きを見せるゴルファーの優勝もオーガスタには似合うと思う。


そうそう、スピースのインパクトの時にカップを見たままのパッティング...ワンピン以内のパットが苦手な人はやってみる価値あり。