ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

クラチャン予選のカットライン

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あるゴルフ仲間の男が、予選のカットラインを自分で勝手に判断して諦めてしまい、折角予選を通って楽しめるはずだったマッチプレーを不戦敗すると言うチョンボをやらかしてしまった。

彼が社会人として立派に仕事をこなす傍ら、時間を作っては練習に励み真面目に努力して来たことを知っているし、その結果として彼のゴルフの実力が間違いなく向上していることを確認している自分としては、彼の誤った判断が悔やまれてならない。
彼のコースが18ホールの予選だった為に「セッティングと天候によってはカットラインが下がる可能性が強い」と彼に警告したにもかかわらず、自分のスコアじゃダメだと勝手に判断してコースに確認の電話を入れなかったのが不戦敗の原因だ。

それで、自分の競技ゴルフ歴なんて自慢するものなんて何もないけれど、その経験と仕事柄多くのコースで聞き集めたクラチャン予選のカットラインというものを書いてみたいと思う。
名門と呼ばれるコースのことは判らないが、多くの大衆コースで行われる「クラチャン」というものはゴルフのベストシーズンに開催される。
クラブの一番の競技であると言うことから、普通にメンバーを大事にしているコースなら5月か6月、あるいは10月か11月に行われる。
このクラチャンを、一般客の少ない真夏や真冬に行う様なコースははっきり言ってメンバーになっちゃいけないコースだと思う。

そしてコースとしては普通の営業のときより、クラチャンの予選やマッチプレーをする時はグリーンを速く硬くしてピン位置を振って難しくする。
(クラチャンの時期に普通の時と同じようにしたり、易しくしたりしているコースも、入会なんなんかしてはいけないコースだと思う。)

すると不思議なことに27ホールの予選をするコースのカットラインは、毎年どこのコースでもほぼ同じになる。
ハーフ40平均の120なら予選通過。
41平均の123で、多分通過。
42平均の126で、運が良ければ16位タイには入れるかどうか。
43平均の129は絶対通らない。
これに天気要因が加わって多少上下するが、余程の強風や大雨の時でも27ホールで130では絶対に通らないと思った方が良い。

だからクラチャン予選での目標スコアはハーフ40平均の120、そこから123までになんとか抑えられれば通過する可能性が高い、と考える。
123以上叩いた場合は、それこそ運任せで他人の結果を見ているしかない。
27ホールの予選の場合、最初の18ホールが70台だと残り9ホールを極力安全に行こうとする。
もし85~6くらい叩いた場合は、残り9ホールを攻めまくってスコアをつめるように奮闘する...毎年、どのコースでもこの辺は変わらない。
ただし、これは予選通過を狙っているレベルの話。
メダリストはたいていアンダーかパープレーだし、クラチャン経験者やクラチャンを本気で狙う人は110~118までにほぼ入っている。
その下のレベルが団子になって予選突破を狙っていると言う訳だ。
その辺はやっと通っても1回戦でメダリストやベスト3の人間と当たる訳だから、マッチではコテンパンにやられる可能性が高いが、マッチは意外に捨て身のゴルファーの番狂わせもあるもの。
そういう「大物食い」が楽しみで楽しみで、なんてゴルファーはどこのコースにもいるもんだし(笑)。

27ホールの予選はそんな感じで、きちんとクラチャン用に整備されたコースでの予選カットラインは毎年予想通りになる。
しかし、クラチャン予選を18ホールでするコースはちょっと違う。
上位の実力者達にとっては、慎重に70台でまわればいいと波乱は起き難いものの、その少数の実力者以外のスコアは荒れる。
27ホール予選のように、途中で自分の位置を確認して「ギアチェンジ」することが出来ずに、「その日の調子」のままで終わってしまうから、良ければ81~2、悪ければ84~85までカットラインがぶれる。
特に、コースがちゃんと「クラチャン用」のセッティングをしてくれるコースだったら、意外にみんなが叩いてラインは下がるもの。
今回不戦敗をしてしまったゴルファーのコースは、支配人らがきちんとピン位置などをセッティングした為に85までカットラインが下がったのに、本人が勝手に自己判断して結果を確認しなかったのが原因。

彼のブログを読んで、その可能性をコメントで伝えたのに...たった一本の確認の電話をコースに入れなかった彼の大チョンボだったが...

大事なクラチャンの予選通過者「たった16人」に、コース側から何の連絡もしなかったと言うのも、その対応に疑問が残る。
少なくともメンバー、それも「クラチャン予選に出る様な熱心なメンバーを大事にしていないコース」と言う印象が残ってしまう。

クラブ最高峰の競技「クラチャン」を目指して一年間練習し努力して来たゴルファーと、それを開催するコース....両者とも、こんな事態になった事が凄く残念だ。