ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

えええっ~!? という話

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参ったねえ...本当に。

「こりゃあ使える!」って喜んだ、ホンマのPP737。
当然自分じゃ「これは溝規制には違反してないはず」と思っていた。
エースだったクリーブランドのTA-3を手放す事にしたんだって、Aクラスの競技に出られない(と言っても出場するのは一年に1回か2回なんだけど)クラブじゃあ、他でスコアを競うコンペなんて時に使っても口の悪い同年輩の奴らから文句が出そうだったからなのに。
(大体、こんなルールを作るからトップアマなんつうものに全く全然関係ない我々見栄アマチュアでさえ、コンペなんかで「あいつは違反クラブで優勝しやがって」なんて悪口言われるんだから迷惑この上ない)

それなら、以前から使ってみたかったPP737なら文句はなかろうし格好もいいじゃないか...と思った訳なんだけど。

ネットでホンマのアイアンの記事を読んでいたら、数年前に737の復刻版を発売した時の広告に「新溝規制にも適合し,,,」とあるのを見つけてしまった。
「え? それじゃあ昔の737は適合してないの?」
という事で調べてみたが、R&Aの適合表なんかを調べても古いクラブの分は載っていない。
ホンマのHPを見ても判らない....それではとネットで調べて行くうちに、溝規制をする事になった経過や世界のアイアンの製造の流れが判って来た。

私自身は今回の溝規制は、特にプロに対して「激スピンウェッジ」に代表される、「どんなラフからでも止まる」とか「誰でもバックスピンがかけられる」、一回打っただけでボールが傷だらけになる様な「やり過ぎ」の溝を規制する事だと思っていた。
プロが試合でラフに打ち込んでも、フェアウェイにあるボールと同じようにスピンをかけてピンそばに止めてしまうシーンを良く見るようになって、それじゃあおかしいと思うのは当然だろう。
だから、溝規制が始まる2010年頃のアイアン...多分2000年代に入ってからのアイアンには、溝規制に引っかかるものが多いだろうと思っていた。

だから、1980~90年頃のアイアンならそんなに「ラフから止まる」なんて評判のものは、オーソドックスなマッスルバックタイプのアイアンにはなかったから、PP737なら大丈夫だと思っていた。
(ピンをはじめとする前衛的なキャビティバックのアイアンには、そんな事を売りにするものが多かったが)
...それが間違いだったとは....

そもそもの溝規制の切っ掛けになるアイアンは、ピンのアイアンだった。
ピンアイ2が角溝で評判となり、それが溝規制の問題で使用禁止となった事件が起きたあと、ピンアイ2プラスでその溝の問題をクリアーしたのは知っていた...自分でもその後ピンアイ2プラスを使った時期もあった。
その問題が起きた時が1985年!

1985年以前のアイアンの溝は三角だったのが、ピンアイ2プラスの角溝が認められた事で、その後殆ど全部のクラブメーカーは角溝にしたらしいのだ。
当然、ホンマもミズノも他の日本のメーカーもそれにならって角溝が世界の標準になった。
それがだんだん溝の角を尖らせたり、溝の幅を広げたりと「やり過ぎて」今回の規制となった。
その規制は「やり過ぎた」クラブを規制するだけではなく、1985年当時許可された角溝を否定し、昔の三角溝に近い...角を丸め、溝の幅を狭めた規制となった。
これが1985年以降2010年までに作られたアイアンの殆どに引っかかる今回の規制の正体だった。

つまり1988年に作られたPP737は、角溝で新溝規制には適合していない、というのが事実らしい。
新溝規制に適合するアイアンを選ぶなら、1985年以前に作られたアイアンじゃなくてはいけなかった訳だ...

なんて事だろうねえ。
まあ、そんなルールにうるさい競技以外は2024年までは普通に使える訳だから、自分のゴルフには殆ど影響ないんだけれど...競技でこういうアイアンを使って、上位に入ったら気持ちいいと思っていたんだけどなあ。

黒トップも今回のPP737も、打って気持ちの良いアイアンだから普通に使い続けるつもりだけれど、これから2010年以降に作られた新溝規制完全適合の超易しい(どうでもいい)ポケットアイアンなんぞを1セットオークションで探してみようと思っている。
1~2万でメーカー問わず、ただ条件は「打った感触が良い」というだけでいい。
競技で文句を言われないアイアン・・・ただし普通のお楽しみラウンドでは全く使わない、でもいきなり競技で使っても普通に遊べるアイアン、なんてのを。
シャフトも楽な奴でいい、ロフトも立ってて飛ぶ奴でいい、美学関係無しのラウンドだからともかく楽に出来ればいい、なんてのを。

あ~あ、特別な激スピンなんてものが売りのものでないオールドアイアンが、こんな溝規制に引っかかるなんて全然思っていなかったなあ。

我々レベルに影響があるなんて、やっぱりこんな溝規制おかしいんじゃないか?
こんな規制は大金を奪い合うプロの世界だけでいいんじゃないか?
(ひょっとして、これはクラブメーカーにクラブを売らせる為の談合なんじゃないのか?)