ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

柚の友達

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冬を除いて、毎夕必ず遊びに来てくれる友達が柚にはいる。

それがこのヤモリ君。
多分親子で2~3匹。
この窓の他に、浴室の窓と私の仕事部屋の窓にそれぞれ違う家族が出没する。
ガラスの向こう側で懸命に蚊や羽虫や小さな蛾を捕まえる姿は、その小さな指の動きや尻尾の動きが愛らしく、毎日会うのを楽しみにしている。

でも家族で一番喜んでいるのが柚だろう。
動きの速いものはとても目で追えず、少しでも大きなものにはビビって逃げてしまう柚にとっては、その大きさや動きのスピードが最も遊び相手として適していると言える。

始めの頃はガラスの向こう側とは気づかずに飛びついてガラスと激突したりしていたが、今では近くに来るとそっと手で押さえようとする程度。
捕まえた!という思い手両手で押さえているのに、ガラスの向こうでスッと動いてしまうのを押さえた両手の間から不思議そうに柚が見ているのが面白い。

手の届かない距離にいる時には、写真の様に下でじっと見つめて待っている。
上を見上げたまま動かないのは、まるで猫の置物のようで絵になる風景。

しかし、ずっと見つめて待っているかと言えば、そこは猫、というよりそこは柚。
すぐに飽きてよそ見をする...するとその間にヤモリは餌の虫を追ってさっと動いてしまう...もう一度同じ場所に視線を戻した柚はヤモリがいたはずの場所に何も無いのを見て、我々を振り返る。
どこへ隠してしまったの? なんて顔をして。

毎日飽きずに追いかけて、いつまでも手に入らないその獲物。
見える所にいるのに、近づけない。

柚よ、その友達とはその距離が変わらないから毎日新鮮に会えるんだぞ。
手に入れてしまえばおしまいの、儚い夢の様な存在なんだぞ。