ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

お気に入りの場所

イメージ 1

猫は日なたの動物だ、なんて言われているのが良くわかる。

起きている時の柚は、遊ぶ・食べる・寝るのどれかをしている時が殆どだけど、暖かい日が差していれば間違いなく、まず寝る。
子猫の時代を過ぎつつあるためか、最近はじゃれて遊ぶ時間が短くなっている。

毛が冬のミッシリと密集した暖かそうなものから、少しずつ密度を減らして来たように感じられる。
それでもいつもの場所に日が差してくれば、その毛に陽の光の暖かさを一杯溜め込んで、気持ち良さそうにいつまでも微睡んでいる。
少しでも涼しくなれば、実を丸めて小さくなるんだけれど、最近はゆったりと伸びたままで寝ている事が多い。

ただ、最近ちょっと困った事に、新しい「暖かい寝場所」を見つけて、そこに行く事が多くなった。
その場所が二階の物干し場の床の下。
合成樹脂の床と屋根に挟まれたその場所は、直接日が当たらなくても暖かさがずっと続き、外の空気を吸う事も出来る、安全で落ち着いた隠れ場所でもあったらしい。
ただ、ここは外から見えない。
手を伸ばして捉まえる事も出来ない。

先日も、柚はここで寝ていたらしい。
その日、家族は皆それぞれ用事があって家を出た。
それぞれ出かける時に一応柚を探したが、多分家の中のどこかで寝ているだろうと、鍵と戸締まりをして出かけた。
...そして、突然の雷と豪雨。

最初に奥さんが家に帰った時、玄関に入ろうとして柚の鳴き声を聞いた。
見上げると、ずぶ濡れの柚が屋根から見下ろして助けを呼んでいた、という。
その物干し場の床の下で寝ていたのに誰も気づかず、窓もしっかりと鍵をかけて出かけたため、家に入れず、屋根から降りられず、豪雨の中鳴きながら濡れて震えていたらしい。
すぐにタオルで体を拭いてあげたけれど、しばらく震えが止まらなかったと言う。


...それでも柚はその隠れ場所が気に入って、家の中で見かけない時はいつもそこで寝ているらしい。