家ネコの柚は基本的に外出禁止。
やっぱり、自由に憧れるネコの性として外の空気の吸える場所が好き。
2階が暑くなると、1階の木陰になって涼しい網戸の前で寝るようになる。
その網戸には色々な訪問者が訪ねてくる。
小鳥の類いは動きが速すぎて柚の感覚ではついて行けず、アゲハチョウくらいのスピードが柚にはちょうどいい。
そんな網戸に今日は一匹のカナブン。
動きが遅い...と言うか、網戸にとまるとほとんど動かなくなる。
それでも足が動いているので、柚は興味津々でカナブンの前に座り込む。
じ~~と見ている...柚は近眼なんじゃないかと思うくらい顔を近づけて見る...殆ど目をくっつけるくらい。
そして匂いを嗅ぐ。
カナブンは少し足をもじもじさせているが、基本的に動かない。
しかし、時折何センチか網戸を上ったりする...と、柚は興奮してつい手をチョンチョンと...爪は出していない。
顔を近づけ、匂いを嗅ぎ、下手したら舐めたりしそう(笑)。
いつまでも飽きもせずに見ていて、思い出したように手を出してみるが...網戸の向こう側にとまっているカナブンには届かない。
そこにいるのに手で触れない柚は、身をくねらせてもどかしがる。
網戸の向こうの遊び相手は、まるで叶わぬ恋の様にどんなに近くに見えていても決して届かない、柚にはそれがもどかしい。