ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

「アンカリング」の禁止について

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R&AとUSGAが、2016年に「アンカリング禁止」をルールに盛り込むと発表した。
しかし、その前のこの時期に「提案」として発表する事は、流れとして長尺パターや中尺パターで今のようなスタイルでのパットは「違反行為」としてみられる事を意味している。

この動きのそもそもの始まりは、そのクラブの一部を身体に固定して行うパッティングが「伝統的なゴルフスイングに反する」という事だった。
しかし、この長尺パターなどが出て来た背景には、「この方法ならパットがもっと入る」というより、「腰を痛めてパッティングの姿勢が取り辛くなったシニアにとって、楽にパッティングできてゴルフをもっと長い期間楽しめるようになる」事が大きくあった。
だから、現在もシニアツアーで使用している人が多く、普通のゴルファーにとっては使用率はそれほど多くない。

そもそも、グリップなどを身体の一部につけて「アンカリング」して、普通のスタイルよりパットが入るようになるだろうか?
最近になってこの「アンカリング禁止」の動きが大きくなり、こういう結果になったのは、偶々アンカリングするパットをしたゴルファーに負け続けたタイガー・ウッズの声が特別大きかったからだと言う。
いわば負け犬の遠吠えに、動かされたという訳だ。

勿論プロとは比べ物にならない下手くそな自分の経験であるけれど、この十年以上長尺パターでアンカリングしてゴルフをして来た自分が言えるのは、「長尺パターでアンカリングしたからと言って、それでパットが入るようになるなんて事は絶対にない!」ってことだ。
考えてみればいい。
そんな事でパットが入るようになるなら、食うや食わずで最底辺の成績でツアーに参加しているプロ達が全員やらないはずがないだろう。
妻や子供たちを賞金の少なさで飢えさせているようなプロが、一打でも少ないスコアで上がろうともがいている若手達が、よりパットが入る方法があるならやらないはずがないだろう。
それに何より、少しでもスコアを良くしてハンデを上げたい、3パット4パットが多くてスコアにならないアマチュアゴルファーが、やらない訳がないだろう。
それが一般にも全然流行りはしないのは、これでよりパットが入る事なんて「無い」からなのだ。
断言する。
アンカリングしたって、特別にパットが入るなんて事は「絶対にない!」。
...ただ、イップスで手が動かなくなったプロゴルファーに取っては、救いの神になるかもしれないが。

確かに伝統的なゴルフスイングの格好ではないのは判っているが、腰を痛めたゴルファーやシニアで腰が痛いゴルファーにとっては、この方法はゴルフを楽しみ続けるためのやむを得ない方法なのだ。
それを、奪おうとするこのR&AとUSGAの今回の決定は、「馬鹿な事を!」と思うしかない。
こうして、身体を痛めた普通のゴルファーの楽しみを奪って....

こういう元締めとでも言う機関が、こんな形で発表してしまえば、もう長尺や中尺のパターでゴルフを楽しむ事はし難くなるだろう。
それを使っているだけで「インチキしている」なんて思われてしまうのだから。
勿論グリップや前腕を身体に固定しなければ、長尺や中尺パターを使うのは違反じゃないと言うが...使っている事自体が非難される雰囲気になって行くだろう。

自分としても、アプローチも深く屈むと痛むので最近は転がし中心だし、なるべく腰を曲げないでスイングしようとしているが...これからは短いパターを使うしか無いだろう。
「違反なのに」なんて見られてゴルフをするのはたまらないから。
しかし、以前ギックリ腰が来たときは、パッティングのために腰を屈めたとたんに腰が抜けて、そのまま半年以上ゴルフが出来なかった。
それ以来の長尺だったけど...今度短いパターの使用でギックリ腰になったら、もうゴルフも引退なんだろうなあ。