抜糸をして来た。
動くのに邪魔だった、エプロンだか前掛けだかのような包帯がとれると、やっと安心したようだ。
家に帰り着くなり、駆け出す。
身軽になった身体の動きを、確かめるかのように走り回る。
高い所にジャンプする。
伸びをする。
転げ回る。
...
包帯がある時は、情けなそうな、不安そうな、自信のなさそうな顔をしていたのに、やっと家庭内の猛獣の威厳を取り戻す気になったようだ。
まだまだ子猫という事と、性格がもともと優しい猫らしいので、抱かれると大人しくなるが...窓の外を飛ぶ小鳥を狙う顔や、じゃれさせるための紐を狙う時の顔に精悍さが戻って来た。
少し可哀想な事をしてしまったなあ。
あとは、猫らしく自由に生きていいからな。