ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

サファリ、最初のトラブル

イメージ 1

一応新車なので、しばらくは慣らし運転のつもりで慎重に運転していた。

ひと月ぐらいしてから、ちょっと遠くに出かける事にして、初めて高速道に入った。
それでも、急な加速は出来るだけしないように、のんびりと運転していた。

さすがに直進性能も安定感も素晴らしく、スピードを徐々に上げて行っても、4200ccのディーゼルエンジンはスムーズに回転していた。
車内はランクルとは別世界の静かな状態だし、トレッドの広さは大型トラックにすぐ脇を走られても、風圧の影響を殆ど受けない。

「すごい! こんなに乗り心地がいいなんて、ジムニーランクルに比べると夢みたい。」
「運転も、5速迄あるから凄く楽だよ。」

なんて会話を交わしている時に、それが始まった。
時速90キロを過ぎた辺りで、「ブルブル、ブルブル」と小さな振動が...
それが95キロくらいで、「ブルンブルン、ガタガタガタガタ!」と車体全体の大きな振動になる。

「え!?」
「なんだ、これは!」
「キャー!怖い!」

アクセルを踏んでいたので、そのまま100キロを超えると振動は収まった。
110キロでは振動は出ない。
しかし、また100キロから下げると、90キロを下回る迄盛大に振動が出る。
ハンドルを持つ手がしびれる程の振動だ。

すぐに、買った営業所にあるニッサンのサービス工場に持っていった。
90キロから100キロの間で酷い振動が出る事を説明し、ともかく買ったばかりの車なんだからきちんと直して欲しいと抗議した。
(ここで少し車に詳しい人なら、この振動の原因は想像出来るのではないだろうか? ...自分も、多分そこがいけないのではないか、と想像したが、整備のプロならわかっている事だろうと思っていた。)
サービス工場では「一週間程預からせて頂いて、調べて直します。」という返事。

が、しかし、一週間後に行くと...
「あのう、自動車の部品というのはですね、数百、数千、数万の部品で組み合わされていましてですね、それらが微妙にずれて出てくる音とか振動は、非常に直しにくいものでありまして...」
「調べてみたんですが、完全に治るというのは...」
と、「少しくらいの振動はどんな車にもあるから、我慢して欲しい」、というような雰囲気の説明。

「そんな事無いだろう! 新車で買ってこれは我慢出来ない」と抗議するも、出来るだけの事はやった、としか言わない。
...その後、また高速に乗って90キロ以上を出してみると、前回よりは小さくなったが、やはりはっきりと「ブルブルブル」と気持ちの悪い振動が始まる。
そして、100キロを超えると静まる。

少し経ったあと、近所の行きつけのガソリンスタンドでその事を話した。
そのガソリンスタンドの所長は、整備士の免許を持っており、ジムニーランクルでは度々お世話になっていた。
「それって、ホイールバランスが狂っているんじゃない?」
「うん、自分も最初そう思ったんだけど、サービス工場ではそんな事真っ先に調べているんじゃない?」
「念のために、ちょっとタイヤ診てみましょう。」

....

「これ、ものすごくバランス狂っていますよ!」
「あれ、4本とも狂ってる」
「直しておきますよ」

...

振動は、見事に収まった。
この件で、ニッサンのサービス工場とその技術を全く信じられなくなった。
本当に工場で整備をしたのかどうかさえ、信じられなくなった。

その不信感は、あとからあとから発生する「車の走行関係以外のトラブル」で益々強くなって行く。
勿論、その後の整備は、絶対にニッサンの整備工場に任せたいとは思わなかった...が、本当に下らないトラブルの対処には、クレームでニッサンに任せるしか無かったのが、結局トラブルが続く原因になった。

後年外人社長に乗り込まれて徹底的にリストラされたのも、納得出来る気持ちだった。