ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

なんだ、あれ?

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夏が近づいて来て、いろいろなものが宙を遊ぶ。

柚にとっては、それら全てが珍妙で不思議で、彼女の太古からの本能にささやきかける魅力的なもののようだ。

それは、蝶であったり、羽虫であったり、あるいは小鳥であったり、鳩であったり...
大きさ速さに関係なく、猫の目には動くものは良く見えるらしい。

これは、珍しくカラスアゲハが庭を訪れた時の、昼寝中だった柚の様子。
顔を横切った影に目を覚まし、半分寝ぼけたような顔で見上げる。
その目に映った不思議な動きで飛ぶ蝶の様子に、一遍に野獣のような緊張感を持った顔になる。

後ろ足がむずむずと動き、前足は宙に浮きそうになってヒゲが前に来る。
腰が浮き上がり、頭が下がり、目は一瞬たりとも蝶から離れない。

柚というのは、なんだか緊張感のない表情の猫だけど、こういったときは何時もより利口そうで精悍な顔に見える。
甘ったれた子猫の表情は消える。

こういう状態になった時に柚の名前を呼んでも、聞こえない。

蝶の動きに合わせて、頭が上下に動く。
お尻が左右に振られ、前足がぷるぷると動く。

蝶が近づいたら、飛びかかるつもりらしい。

....間に網戸があるのを忘れているのかもしれない。


(続く)