ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ヒッコリーシャフトのゴルフ

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ヒッコリーシャフトのクラブの大量試打から二日、ゴルフのあり方を考えるようになった。

つまり、自分達の時代のゴルフというものは、木にでもぶつけない限り絶対に「クラブのシャフトが折れる」なんて事を考えずにプレーしている。
だから深いラフに入っても、それを「大量の草ごとボールを打ち抜く」なんてのが賞賛さえされるプレーとなっている。
ディボット跡に入ったボールを、そのディボット跡を更にえぐり出すように打ち込んで、大量の土砂ごとボールを打ち出す事が、「上手い!」なんて言われる。
ショートアイアンどころか、ミドルアイアンでもワラジのようなターフをとる事が褒められたりする。
...これは、そんな打ち方をしても、スチールなりカーボンなりのシャフトが折れるなんて事は、全く考えていないから出来るプレー。
そんなプレーは、今のゴルフでは常識になっている。

スチールでは、スイング中に木に当ててしまって曲げたとか折れたとか、極偶に力を持て余した下手くそが、力一杯大ダフリをしてシャフトが曲がった、なんて話はある。
しかしそれ以外の普通のプレーでは、折れたり曲がったりなんて聞いた事がない。

しかし、ヒッコリーシャフトのクラブに接して、そんな事が当たり前になったのは最近の事だという事を知る。
ヒッコリーという木に限らず、どんなに硬く、状態がよいものであっても、「木材」は絶対に折れるものなのだ。
ヒッコリーシャフトはある限界を超えた力に対しては、あっさり折れる。
理に適わない無茶なプレーには向いていないのだ。

そんな事を知ると、ヒッコリーシャフトを大事に使うゴルフをしようとする...ラフに入って大きな草の後ろだったり、ディボットの跡の穴に入ったりしたボールを見ると、「アンプレヤブル」を宣言して、ライの良い所にドロップする。
そうすれば、まだまだヒッコリーシャフトクラブの気持ち良さを味わえるから。

...思い出してみて欲しい。
今まで、スチールシャフトのアイアンで、ラフで無茶振りしたり、ディボット跡のボールを打とうと思い切り打ち込んだり、奇麗にスピンを描けようと大きなターフをとろうとしたり...
それで、良い結果になっただろうか?
そりゃあ、何度かは成功したかもしれないが、失敗してもっと酷い状況になってしまった事の方が、遥かに多かったのではなかろうか?

そんな事を考えると、ヒッコリーシャフトを折れないように使う、というゴルフはコースにもスコアにも気持ちにも優しいゴルフになるのではないか?

プロは、生活がかかっているんだから、どんな無茶なプレーだってスコアに可能性がある限りやらなくてはいけない。
でも、楽しみでプレーする我々は、プロの真似をしてコースをぶっ壊すような格闘をする必要は無い。

スチールシャフトを過信して傲慢なプレーをするよりも、ヒッコリーシャフトを大事に使って、コースに自分に優しいプレーをする...そんなゴルフを考えてみても良いのでは?
それになにより、打感は本当に気持ちがいいんだし。