ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

パーおじさんを発見して、勝てるようになった

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「私はパーおじさんを発見してから、勝てるようになった。」...ボビー・ジョーンズ。

言わずと知れたボビー・ジョーンズの有名な言葉だ。

だが、私は以前この言葉を今と違う風に受け取っていた。
パーおじさん...オールドマンパー。
ボビー・ジョーンズはこの言葉を発見する前には、例えばセント・アンドリュースのオールドコースでの全英オープンにおいて、あまりの自分のスコアのふがいなさに切れてスコアカードを破いて棄権する、なんて事をやったりしている。
この頃のジョーンズは、「上手いけれども切れやすく、マナーがいまいち」なんて評判だったと伝わっている。
そういうジョーンズが変わったのが、この言葉「オールドマンパー」を発見して、オールドマンパーに対してゴルフをするようにしてからだと...

これを知って、オールドマンパー「パーおじさん」というのは、スコアカードのパーで、いつもスコアカードの通りにプレーする人...「冷静に機械のようなプレーをするクールで厳しい偏屈老人」だと感じていた。

これが、最近違うのだ。

パーおじさんというのは、それぞれのホールにいる18人の愉快なおじさんだと思うようになったのだ。
そう思うと、毎ホールのパーおじさんに会うのが、じつに楽しくなってくる。
1番は、気のいい優しいおっさんだ。
「まあまあ、スタートホールは広いんだから、肩の力抜いて気楽にやれよ...左のOBだけ気をつけてな」
2番の親父はちょっと油断出来ない。
「このショートは乗せただけじゃあ、安心出来ないぞ」
3番のおっさんは
「さあ、緊張も取れただろ。ここで一発ぶっ飛ばして行けや」
4番は
「おいおい、ここで気を緩めると落とし穴が待ってるぞ...」

5番の気難しそうなおじさんは
「そう簡単にいけると思ったら大違いだ。実力の程を見せてもらおうじゃないか。」
なんて、皮肉に笑う..。

こんな風に、各ホールに性格の違うおじさんがそれぞれいて、自分に話しかけて来るような気がするのだ。
そういう各ホールのパーおじさんが、いろいろな事を話しかけて来るのが良く判る時には、非常に楽しいゴルフが出来る。
スコアが良いかどうかは、グリーン上のパット次第なのであまり自分には関係ないけど、コースと(パーおじさん達と)会話出来るかどうかでコースの印象も違ってくる。
非常に個性豊かな18人のおっさんがいる愉快なコースもあれば、似たようなおっさんがあくびをしているようなつまらないコースもある。

でも、少なくともたった一人の、冷静で感情の変化のない嫌みな上級者みたいなおっさんが、スコアカード通りのゴルフをしている姿をイメージして戦うより、毎ホール違うおっさんと楽しい勝負をするイメージの方がずっと面白い。

もちろん、だからと言ってスコアは良くなるなんて保証は出来ないけれど、楽しいゴルフが出来るのは保証する。
どう、18人のおっさんに会ってみる?
(18人の美女だっていいんだけれど、女って...18人いるとちょっと怖いぞ)