ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

婚活?

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もう何年も前に30歳を過ぎた。
同い年の友人達は、とっくに結婚して子供が幼稚園やら小学校やらに入るというグループと、仕事が面白くて結婚なんか考えもしない、なんてグループの二つに別れている。

自分はと言えば、別に面白い仕事ではないけれど安定した職場でもう10年勤めている。
給料も悪くないし、少ないけれどもボーナスもきちんと出るから、一人暮らしのマンション住まいで別に不満はない。
「結婚しない」と決めた訳ではなく、どちらかと言えば結婚して子供を作って...幸せな家庭を作るという方が自分の望みなんだけど。
独身でいるのは、結果として仕事関係で気持ちが動くような男性に出会えなかった、というだけの話。

今は4年前に上司に勧められて始めたゴルフにハマっている。
ゴルフなんてものは全然関係ない世界の話、と思っていたんだけれど、やってみたら面白かった。
はじめは上司に教わっていたんだけれど、仕事とプライベートが一緒になるのが嫌で、通勤の途中にある練習場のスクールに入って毎週1回のレッスンを受けている。
ただ、練習場の関係でのラウンドは年に4回しかなく、他にラウンドする機会を作ろうとすると、上司に誘われる時しかないのが不満だった。
職場の関係だけでなく、個人的な関係迄絡まって来るようで気が重かったし。

そんな時に雑誌で見た「オープンコンペ」に興味を持った。
「レディース向け」とか、「お一人の参加歓迎」なんて言葉が自分を誘っているようだった。
一大決心で参加してみると、面白かった。
それをきっかけに、平日開催の普通のオープンコンペに、有給を使って月に2回は出るようになった。
...そんな普通のオープンコンペに参加しはじめの時に、出会ったのだ。

まだ、ベストスコアが100を切る前で、オープンコンペにも慣れていず、緊張と興奮でバタバタだった。
同じ組になった、全身真っ白...白いサンバイザーに、白いシャツ、白い短パン、白い靴下、白いシューズの青年が、いろいろと気を使ってくれた。
腕はシングルも5下というくらい上手く、白いウェアに真っ黒に日に焼けた肌、笑顔に浮かぶ白い歯の印象が強かった。
曲げたり、クラブを間違えたり、ボール探しだったりで、焦っている自分につきっきりで面倒を見てくれた。
お昼の食事のときや、パーティーの時にも隣にいて、いつも話しかけてくれていろいろ聞かれたんだけど、自分はその日の何もかも上手く行かなかったゴルフの事で頭が一杯で、ろくな返事をしなかったような気がする。
アドレスも聞かれたんだけれど、結局教え損なった。
彼は仕事が不規則なので、ゴルフをやれるのが平日に一人で急な参加が可能なオープンコンペしかないと言っていた。
「また、お会いしたいですね。」
そう言って別れた。
仕事は医者だとか。

それから、オープンコンペには沢山参加している。
彼の事は、時間が経つ程に好意が湧いてくる。
あの時はゴルフでパニクっていて、ろくな会話が出来なかったけれど...彼の態度や言ってくれた事、してくれた事が、実に優しく気の利いたものだったという事に後から気がついた。
「また逢いたい。」と思い続けて、いろいろなオープンコンペに参加しているけれど、あれから見かける事もない。

...オープンコンペで一緒になるのは、60前後の元気なオジサンやオジイサンばかりで、彼ぐらいの年齢の男とは、全然同じ組になれない。
その元気なオジサン達に、いろいろと口説かれるのも気が重い。

こんな気持ちでオープンコンペに参加しているのは、私の「婚活」なのかしら。
最近、なんだかそう思う。

正直、彼の顔も忘れかけてきて、残るのは日に焼けた黒い顔に光る「白い歯」の印象だけなんだけど...