ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

真っすぐにボールが飛んだのは...

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「真っすぐにボールが飛んだのは、ただの偶然だ。」...ベン・ホーガン。

ゴルフというゲームは、人間が自分の手で一番遠く迄ボールを飛ばすスポーツだ。
飛ばす人で300ヤード以上...300メートルもボールは飛んで行く。
普通の人だって、200ヤード以上...つまり200メートル前後は飛ばす事が出来る。

100ヤード以上飛ばせば、ほぼホームランとなる「野球」に比べて、倍以上の距離をほとんどの人が飛ばせるのだ。
それこそゴルフの一番の魅力でもあり、そのボールが飛んで行く「浮遊感」に人は惹き付けられる。

ただし、そこがゴルフの魅力でもあり一番の悩みでもある部分。
「飛ばせば飛ばす程、ボールは曲がりやすくなる」のだ。
100ヤードだったら1ヤードの曲がりだったものが、200ヤードでは10ヤードも20ヤードも曲がる事になる...科学的な問題だけでなく、「飛ばしたい」という欲がもっとたくさんの曲がりを生む。
当然、ゴルフに熱中した人は「曲がらないよう」に練習する。
毎日毎日沢山の球を打ち、いろいろな教本でスイングを勉強し、「曲がりにくいクラブ」や「曲がりにくいボール」を探し続ける。

そこに、このベン・ホーガンは「間違いがある」、と言っている。
真っすぐ飛んだのは偶然だ...つまりボールは曲がるものだ、と。
ベン・ホーガンの時代、ドライバーはパーシモン。
フェースにはロールとバルジがあり、ボールは柔らかいバラタボール...確かに真っすぐに飛ばすなんて無理だとも思える。
それに比べると、今の時代はドライバーのヘッドは大きくなり慣性モーメントが増し、ボールも回転数をおさえたものもあり、「真っすぐに」飛ばし易くはなっている。
...だからと言って、200ヤード以上の距離を曲がる(つまりボールに横回転をかけずに)事無く、真っすぐに飛ばすなんて事は、常識で考えれば、ほぼ無理。

ではどうすればいいか?
「曲がる方向を決めた球を打つ練習をしろ!」と、ベン・ホーガンは言う。
つまり、自分の「曲がる」持ち球を練習で鍛え上げるのが一番いい、と。
右回転のスライス、左回転のフック、どちらかを自分の持ち球にして、それを練習で完全に自分のものにする...そのほうが「真っすぐな球を打つ」よりずっと易しいし、スコアアップの一番の近道になるということだ。
そういう自分の持ち球を作るという事は、「絶対に左に行かない」とか「絶対に右には行かない」という自信を持つ事になる。
それはコース攻略で、大変な武器となる...だから、「曲がる球」を打つ練習をしろ、と。

真っすぐな球を打つ練習ばかりしていると、コースでは必ず右にも左にも曲がる球が出る。
偶然にしか出ない「真っすぐな球」を追い求めている限り、練習場シングルにはなれてもコースで良いスコアは出せる訳が無い、と覚えておこう。

どうせほとんどの人がへそ曲がりなくせに、ゴルフにだけ「真っすぐ」を求めるなんて...チャンちゃら可笑しくて、へそで湯を沸かせるわ! って(ベン・ホーガンは言ってないけど)、思わない?
へそ曲がりはへそ曲がりらしく、曲がるボールの練習、だ(笑)。