ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

時代が変わった...

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ある討論番組を見ていたら、司会者が「今はCO2なんて、どうでもいいんだ!」「まず我々の生活をどう立て直すのか、それが第一なんだ!」と言っていた。

その言葉に、「停電対策に火力発電所を活用するとCO2が...」と言いかけた出席者は黙り込み、誰も何とも言わなかった。
つい最近...あの大地震と大津波原発事故の前迄は、「CO2対策」と「オール電化」とか言う言葉を見ない日は無かったのに、震災後にそんな言葉を見かける事は全く無くなった。

まるで究極の選択の問題みたいに、「放射能とCO2とどっちを選ぶ?」と聞かれれば、答は?
震災前迄の「最新の暮らし方」のようだった「オール電化」とやらは、停電では生活する事が出来ずに簡易ガスコンロを買い、水を買い、灯油ストーブを買わなければならない状態になった。
おまけに停電でないときだって、これからは電気浪費の元凶と言われてしまう。

時代が変わってしまったのだ。

まだまだ長い時間、原発は一進一退で放射能を出し続け、東北では耐える時間が続き、停電は深刻になり、節約生活や耐乏生活が当たり前になる。
でも、そのために人々の意識が変わり、日本人の生き方が変わるかもしれない。

あるいは、戦後から続いた「アメリカ風便利で豪華な物質万能文化」からの脱却。
あるいは、「ゆく河の流れは絶えずして...」の世界観の浸透。
あるいは、まったく新しい生き方や価値観の出現...

何かが変わりつつあるのは確かだが、とりあえずは歩き出さなくてはいけない。
それぞれのできる仕事をし、遠慮がちであっても遊び心を取り戻し、残っている社会を動かさなくては助けを待っている人を助ける力も無くなってしまう。

放射能は減らないけれど、停電になるけれど、馬鹿げた買いだめ買い占めは落ち着いて来たし...重たくなった腰を上げ、うつむいた視線を上に向け、落ち込む気持ちを振り払い、ドアを開けてまず一歩歩き出す。

大丈夫、放射能の影響が出るよりも、残っている寿命が尽きる方が早いから(笑)。