ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

夢の意味

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「青い空、緑の野の上を飛んで行くボール」や、「深い緑に包まれた、鮮やかなグリーン上のピンに向かって飛ぶ白いボール」の夢を見る人は、本当にゴルフに惚れ込んでしまった人だ...という話を聞いた事がある。

そんな夢を最近よく見るのは、一体なぜなんだろう。

ゴルフはもう10年近くやっていないのに。

9年くらい前、一人娘が中学生の時に、娘を連れてその時の夫と別れる事を決めた。
自分でも驚くくらい固い決心で、それを実行に移した。
夫は、驚き、嘲笑し、困惑し、懇願し、最後に怒り狂った。

そうして、呆れるほどに大変なエネルギーを費やしながら、娘二人での生活を勝ち取り、今まで暮らして来た。
しかし、自分でも働いていたものの、娘が大きくなるにつれ負担が大きくなる「学費」...つまり教育費は、女一人のそれまでの給料だけでは間に合わず、週5日の昼間の働きの他に、週4日夜のアルバイトをしてなんとかやりくりして来た。
当然、自分ではお金のかかる遊びは一切できる余裕など無く、ただ懸命に生きて来た日々だった。
後悔した事はなかったが、「疲れたなあ」と思う事はしょっちゅうだった。

それが今年、娘は大学を卒業して就職する事が出来た。
...ほっとして、肩の荷が降りた気分になった。

夜のアルバイトをやらなくても、なんとか生活できる見込みが出来た。
そんな風になってから、度々ゴルフの夢を見るようになったのだ。
なぜかいつもその夢は「白いボールが木々を越え、青い空の彼方に飛んでゆく夢」、そして「深い緑に囲まれた、黄色い旗が立つグリーンにボールが吸い込まれるように落ちて止まる夢」。

それで、以前誰かが言っていた言葉を思い出した訳だけど、自分がそんなに惚れ込むほどゴルフをしていたとも思えないのだ。
夫に教わり、連れられてゴルフに行っていた時にはそれなりに熱中していたとは思うけど、ベストスコアだって90を切れなかったし、こういう夢は見た事がなかった。
あの当時にたまに見たゴルフの夢は、「池にボールを何発もいれて、ボールがなくなってしまって、どうしたらいいか判らない」とか「バンカーから出なくて、後ろにたくさんの人が待っていて、みんな怒っている」とか、「たくさん叩きすぎて、スコアカードに書き切れなくて途方に暮れている」とか...
どちらかと言えば、「悪夢」に近い夢ばかり見ていたような気がする。

でも、最近見るゴルフの夢は、なんだかとても懐かしい気持ちと、胸がわくわくするような憧れの気持ちが入っているような気がする。
「もう一度やってみたい...」なんて、少し思ってもいる。

ただ、ゴルフの道具は別れた夫に買ってもらったもので、全て捨てて来てしまった。
新しく始めるには、またお金をかけて揃えなくてはならないし、練習をしなければボールに当たる気もしない。
それに、具体的に始めるには、まだまだ自分の生活に余裕が無いのが現実。
これから再びゴルフを始める事が出来るかどうか...半分半分。

ただ、最近見ているそんなゴルフの夢には、以前の悪夢のような「目が覚めて、ああ夢で良かった」というような感じは全く無い。

「ああ、もう一度ボールがそんな風に飛んで行くところが見たい」という思いが残るだけ。
...これからは、そんな事を望んで生きて行くのも、悪くないのかもしれない。