ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

天下の暴論...20

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「アイアンの番手のロフトを統一しろ!」

まあ、無理でしょうけれど。
なぜならメーカーの売り文句と、ゴルファーの見栄がなくならないから。

でも、なぜこんな事を言いたいか...近頃のプロの試合を見る人の減少の原因が、こんなところにもあるだろうと思うから。
色々な種類のスポーツを観戦する人は多いけれど、他のスポーツ観戦とゴルフの観戦では大きく違う事がある...それは、ゴルフの試合を観戦する人のおそらく9割以上は「自分もゴルフのプレーを楽しむ」人だという事。
勿論、プロ野球やプロサッカーの観戦をする人にも自分もプレーする人はいるだろう。
しかし、そういうスポーツの観戦をする人は「今も」やっているひとより、「以前やっていた」「子供の頃はよく遊んでいた」「もう現役ではやっていない」人が殆どだと思う。
だから、自分がもうやれないプレーや、やった事もないプレーや、やりたかったプレーをプロの試合に見て興奮する...自分が今からそんなプレーをするとかしないとかいう事は全く頭にない。

しかしゴルフは違う。
プロの試合を見ていくら興奮したって、本心では明日の自分のラウンドの方が、それよりずっと面白いに決まっていると思っている。
ゴルフは何時まで経っても「見る」より「やる」方が面白いスポーツだから。
つまり殆どの「プロの試合を見る人」は、いつもの「自分のゴルフと比べて」...自分のゴルフを中心に楽しんでいる人だという事。

そう考えると、パーシモンの時代はプロゴルフの中継を見ると「自分のゴルフと比べて楽しむ事ができた」...いくら飛ばし屋でも300ヤードを超える飛ばし屋なんて、数人もいなかった。
マチュアの飛ばし屋とプロの差なんて、がんばれば届くんじゃないかと思うくらいの差だった(本当はその差が凄いんだけど)。
アイアンもそう。
実際に自分がプレーした事のあるコースでの比較で、「バレステロスは1番手飛ぶんだ」とか「ニクラスとも1番手か」とか「ペイビンは俺より飛ばないのか」とか、自分のゴルフと比べてプロのゴルフを実感する楽しみがあった。

それが、今じゃあ「200ヤードを8番?」「7番で220ヤード?」...なにそれ?
その始まりは、「俺は7番でこんなに飛ぶ」なんて見栄を張りたいアマチュア向けに、「本当は5番のロフトなんだけど数字は7番」なんてアイアンをメーカーが作ったことなんだろうけれど...
今のプロ向けの道具はそれが極端まで行ってしまっていて、中継で聞くアイアンの番手の数字が全く自分達のゴルフとかけ離れていて、現実味もないし、共感も出来なくなっているのだ。

道具を作る技術が進歩し過ぎて、ゴルファーそれぞれが持っている道具の基準が違って、簡単に「何番アイアンは何ヤード」という話が通じなくなったのがおかしいと思う。
一応数字の入っている道具なんだから、せめてロフトだけでも統一して、アマプロ問わず全てのゴルファーが共通の認識が持てるようにならないだろうか。
そうすれば、たとえシャフト等の性能の差で飛びが変わったにしても(体力差は置いておいて)、アマとプロの差とかが実感として感じられるのではないか。
まあ、各メーカーの宣伝や売りの技術やアマチュアの見栄なんかで、とても統一なんかできないとは思うけど、このままで行けば「XX選手はX番アイアンを手にしました」なんて放送は何の意味もない雑音にしかならないし、「プロゴルフと自分達のゴルフは全く関係ない」という事でますます中継を見る人は減ってしまうんじゃないか...

どうだろう?
アイアンの番手のロフトの、統一。