ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

トップで右肘を...

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「トップで右肘を身体から離している上手いゴルファーはいない」...ジーン・サラゼン。

今では古い化石のように思われている、聞き飽きたような名言だ。
「だって、ニクラウスのように明らかにトップで右肘が浮いていても、あれだけの実績を残したゴルファーがいるじゃないか。」
「今では、右肘は身体の前傾の角度と平行で良いと言われている。」
なんて反論が出るだろう。
確かに、ちょっと前までは右手は「出前持ちのように」なんてよく言われたけれど、今ではそんな事言う人もいない。

なぜそうなったかを考えてみると、この名言はパーシモンヘッドのドライバーの時代のもの。
...右肘を身体につけたトップだと、ダウンからインパクトにかけて手首のコックを使いやすい。
するとインパクトでヘッドスピードが上がり、かつインサイドから振りやすいので掴まったボールが打てる...つまりパーシモンで掴まった強いボールを打つには、最適の方法だった。
しかし、ヘッドが倍以上大きく、またシャフトの長さも長くなった今のチタンヘッドの時代には、このようにコックを使ってヘッドスピードを上げようとすれば、慣性モーメントが大き過ぎてインパクトゾーンでヘッドが素直にターンせずに、逆に球筋が乱れてしまう結果となりやすい。
今のドライバーに適したスイングは、コックを使わずに出来るだけ素直にインパクトゾーンを通過させる...ヘッドの無駄な挙動をさせずに振り切る事と言われている。

勿論フライングエルボーが良い訳ではなく、右肘を暴れさせればスイングプレーンから大きく外れて、とんでもないボールが出てしまう。
しかし、右肘を身体につけないで少しくらい離れたほうがスムーズなスイングになるというわけだ。

ただ、今の大型ヘッドのドライバーを使っている方々、何時も良い球が打てているだろうか?
ちゃんと飛びも方向も、満足しているだろうか?

もし、「ボールが掴まらない」「振り切れない」なんて思っている人がいたら、騙されたと思ってこの名言のように右肘を身体につけたトップを作ってみよう。
(右の脇にハンカチを挟んでスイングしてみると良い)
右肘が身体から離れないような意識でスイング出来ると、意外にボールが掴まるのにビックリするだろう...スイングプレーンが小さくなったような気がするだろうけれど、左手を伸ばしていればスイングプレーンは変わらない。
スライサーはフックが打てるかもしれない...右肘が身体についたトップからだと、インサイドから振りやすくなるのだ。
飛距離が出るかもしれない...右肘を身体につけたトップからだと、タメが作りやすくなってヘッドスピードが上がるのだ。

これは、アイアンでも言える。
「ボールが掴まらない」という時には、まず意識してスイング中右肘を身体につけておくようなイメージで振ると、ボールが掴まるはずだ(特にロング、ミドルアイアン)。
ただし、左に行きやすくはなるけれど。

ポイントは右肘を身体につけても、左手は伸ばしておいて曲げない事。

確かに、化石のようなパーシモン時代の名言だけど、その理由を考えれば今の時代のスイングにだって、ケースによっては生かせる所はある、という話。