ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

私の好きなスイングとMOIマッチング

イメージ 1

もう30年以上ゴルフを楽しんで来た。

仕事で嫌々始めたゴルフにあっという間に熱中して、ハンデを小さくする事や競技に熱中した時代を経て、故障や怪我でいじけていた不良ゴルファーの時代があり、最近の変態ゴルフ(本当はこれがゴルフ本来の楽しみだと思っているんだが)で旅ゴルフの時代に至っている。

ゴルフの仕事のうちの8割以上がレッスンイラストだった為に、膨大な数のゴルフのスイング理論を知る事が出来た。
ただ純粋にゴルフ理論を知っている数から言えば(勿論自分のものにしたとか完全に理解したとか言う意味ではない)、日本有数ではないかと自負している。
勿論そんなものは自分のゴルフには全然関係ないんだけど(笑)。

その間に数えきれない数のプロやアマチュアのスイングを描いてきて、自分が「ああ、こういう風にスイングしたい」、あるいは「こんな風に打てたら良いなあ」なんて思うプロが何人かいる。
そのスイングを見ているだけでうっとりしてしまう様な(笑)。

例えば、それは全盛時のニック・ファルド、今でも変わらないコーリー・ペイビン、全英オープンを取り損ねたコンスタンチノ・ロッカ、それに岡本綾子やフレッド・カプルス...
みんなスイングは違うんだけど、共通点が判るだろうか?

答えは、皆「3番アイアンもピッチングウェッジも同じスイングに見える」・・・つまり、スイングを見ているだけでは何番アイアンを打ったか判らないのだ。
スピードも力感も殆ど同じに見える。
他に名手は無数にいるし、世界的なプロは皆どのクラブでも同じ様なスイングをしているけれど、自分が「いいなあ」と感じるスイングはこうしたプロ達なのだ。

まあ、ニック・ファルドは190センチの身長があるので、アー二ー・エルスと同じ様に大きなエンジンだからアイドリング状態での回転数でも十分に飛ぶ、とも言えるけれど...タイガーなんかの様な激しいインパクトでは決して無い。
そういう意味でコーリー・ペイビンが日本人と変わらぬ体型であのスイングを通しているのは、本当に凄いと思うし惚れ惚れする...飛距離はでないけれどね。
カプルスや岡本はそれぞれ元々飛ぶ方だったけれど、インパクトの柔らかさが好きだ。
そして有名ではないけれど、全英オープンでジョン・デイリーにプレーオフで敗れたコンスタンチノ・ロッカ...この人は、この1995年の全英オープンで初めて見たが、そのスイングの「何番アイアンでも同じスイング」の柔らかさに惚れてしまった...本当に「ああいう風に打ちたい」と思ったのだ。

そんなスイングが好きなので、当然自分でも「ピッチングも3番アイアンも同じ様なスイングで打つ」という事を練習してみたりしたけれど...どうしても3番を打つ時には同じ様に振れない。
3番の距離を出したい時には力が入って、スイングは大きくなり、より速く振ろうとしてしまう。
それどころか、ピッチングと8番、7番、6番、5番とどのアイアンだって同じ様には打てやしない。
例えば8番はちゃんと打てたのに7番になるともっと力を入れなければ打てない、とか7番は良いのに9番じゃ掴まり過ぎてしまうとか、4番は打てても3番はミスばかりとか...
これをなんとかしようと、当然まずはバランスを合わせる事をする...これは殆ど影響ない。
ライ角を合わせる...これもいくら合わせても3番と8番が同じ様に打てる為の助けにはならない。

そんな事で、そういう風に打つプロのスイングは大好きだけど、自分には無理と諦めていた。

それが、MOIマッチング。
つまり、M(Moment)、O(of)、I(Inartia)をマッチングする....慣性モーメントを揃えるということ...そうすると、ピッチングも3番アイアンも「同じ感じで」振れる様になるのだと言う。
これをこの調整の第一人者のKURO氏に揃えてもらった。
練習場での感触は,,,恐ろしい程にどのアイアンも同じ様に振れる...目をつぶって振るとどの番手を持っているのか判らなくなる。
これを練習場で打ち込んでこの前の漫画家コンペで試すつもりが...なんとその一週間前に酷い腰痛になってしまった。
この腰痛は一年に一度あるかないかというかなり酷い奴で、立つ・歩くという事で痛み、コンペの日までに「なんとか振れる」程度にしか治らなかった。
しかし、ティーショットの酷さに比べて、アイアンは上り200ヤードのバンカーからのショットが(ピッチングウェッジの様に)軽く振り抜けてグリーン横まで行ったり、180ヤードを5番で軽く振り抜けたり...何回か「これは!」というのが打てた。

今、大分腰が回復して来たので、このアイアンを早くコースで試したいと思っている。
今週の晴れた日に、自分のホームコースに久しぶりに行って以前のアイアンと比べて来るつもり。


今自分は、このMOIマッチングは近い将来にクラブマッチングの基本になると言う予感がしている。
そしてこのマッチングをすれば、「どの番手も同じ様に打つ」プロ達のスイングが自分でもしたい、という夢が叶いそうな気がしている。