ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

素晴らしき「アマチュア」スイング...2

イメージ 1

プロやトップアマじゃあり得ないようなスイングながら、しっかり自分のスイングとして「変則スイング」を作り上げた人達がいる。

この人はかなり以前、ある競技の予選会場で3組ほど前を回っていた。

ちゃんとした競技ということで、ややスタート時間が遅れていて、スタートホールのティーグランドの周りには5-6台のカートが並んでいた。
当然20人近くのゴルファーがあっちに座り、こっちで柔軟体操、とてんでに自分のスタートが来るのを待っていた。
何となく緊張感に包まれた「ざわざわ」とした雰囲気も、一人がアドレスにはいるとみんな息を止めたように「シーン」となる。

そして自分の3組前の人達の順番がやってきた。
その二人目に彼はティーグランドに上がった。
目標を定め、アドレスに入る...みんな息を止めてスイングが始まるのを待つ。
と、いきなり彼はクラブを真上に上げた。
思わず声にならない声で「え?」というざわつき...と、すぐにそこから彼は右に身体を回した!

スイング!
綺麗に捉まったボールは、飛距離は出ないものの、フェアウェイ真ん中に落ちた...
「ええーーー?」「なんで?」「今のスイングって..?」と、暫くみんな独り言のようにぶつぶつと言う声が止まらない。
本人は、別に何でもないという顔でティーグランドを降りてくる。
確かにダウンから後は、普通のスイングと変わらず、綺麗なフィニッシュをとっていた。

その組がスタートしていった後。
残った我々を含む人達は「あんなスイング初めて見た!」とか「あれでちゃんと当たるんだ...」とか、知らない者同士で会話が始まる。
そのうちに誰かが「あのスイングで全部打つのかな?」なんて言い出したために、次の組の人も含めて20人ほどの人達全員が、その組のセカンドショットを見ることになった。
みんながティーグランドの周りで、横に並んで彼のセカンドショットに注目する...

遠目に、やっぱり彼がアドレスからアイアンを真上に上げるのが見えた,...途端にティーグランド脇で見ていた全員が「おおーー!」「やっぱりアイアンもあの打ち方か!」と声を上げた。
「凄いな」「見事だ」なんて会話があちこちで始まる。
おかげでその後の組は、あまりプレッシャーもなく第一打を打つことが出来たのはありがたかった。

...何番だったか、隣のホールですれ違ったその人は、アプローチまで、まずクラブを真上に上げていた。

なんだか、彼のゴルフをずっと見ていたいような気になったほどの変わったスイング...でも、理屈には合っている自分流スイング...とてもスムーズに使いこなしていたのが格好いい。

...名前も知らなかったので、彼が予選を通ったのかどうかは判らなかった。