ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

九月になって

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あの命に関わるような酷暑は一段落して(まだこれからもあるらしいが)、9月になった。

武漢肺炎は相変わらず収まらず、その影響での人の付き合いの変化は今までの価値観さえ変えようとしている。
ついこの前まで我々の誇りでもあったような「民度」とやらが、こんな肺炎一発でボロボロになりつつある。
村八分に地域差別に病人差別、告げ口陰口嫌がらせ...この肺炎は人の隠されていた醜さを曝け出す。
早く終了してほしいギスギスして制限だらけの生活は、今だにワクチンも治療薬も完成せず、まだ当分解消されそうにない。

そんな中7年以上この国をまとめてきた政治家が、病気を理由に舞台から降りた。
最初にこの国の首相になった時に、始まったばかりの舞台を病気のために悔し泣きしながら降りた男の、再度のチャンスでの覚悟の政治に俺は期待した。
名門の代々続く世襲議員でもあるこの男は、初めてのチャンスを不意にした時の悲しさ悔しさで「もし次のチャンスがあれば、精一杯この国のために自分のやりたかったことをする」という断固たる決意を持ったと聞いた。

なまじ成り上がりの政治家は、たとえ傑物と言われようと、どうしても金とのし上がって行く途中のしがらみに絡みとられて世間の汚れに染まって行く。
しかし、純粋培養で生活の不安無く帝王学を学ぶ事が出来た政治家には、時に本当に我欲を捨てて純粋に国民のための政治をしようという人物が現れる。
俺はこの人にそういう政治家になって欲しかった。

そして、7年以上の間病気を薬で抑えながら、この男は最初の失敗でしみじみ思った「自分が政治家として本当にやりたいこと」をやろうという意思をなんとか持ち続けたと思う。
その在任期間の間、数と力で何もかも押し通そうという大国に挟まれ、因縁難癖をつけまくるチンピラに取り付かれ、人種差別や宗教戦争や資源戦争の嵐に巻き込まれ、おまけに気象変動が生み出す大規模天災にも何度も叩かれ、国内では重箱の隅のごま粒のようなスキャンダルに絡みつかれた。

しかし、それでも彼は日本を国民が自虐せずに国として誇りを持てる国にしたいと言い続け、その基本的な思いは形になって来つつあった、と思う。
憲法改正も領土問題も拉致問題も、結果としてどれも立派な成果を上げたとは言えない(明らかな失敗も目立つ)。
しかし、この嵐の様に目まぐるしく変化する混沌の時代に、彼以上に成果を上げられる人物が他にいただろうか?
...俺には全く見当たらなかった。

俺は右翼のつもりは無いし、左翼のつもりも無い。
特定の思想や宗教に酔うことも無いし、難しい理論もわからない。
一つ一つの事柄に、バカはバカなりに足りない頭で考えて自分の意見を持とうとするだけだ。
(彼の政策が俺の生活に「得」になった事といえば、あの「国民みんなに10万円」くらいか?)


7年以上の間、お疲れ様でした。


が、次の首相が心配だなあ。


ああ、ゴルフも....もう少し涼しくなったら、な。