ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

トイレットペーパーの馬鹿騒ぎ

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最初はマスクがなくなり、次にトイレットペーパーが無くなった。
なんでも買える豊かな陳列数を誇る現代の日本の「普通の」スーパーで、そこだけ棚が空っぽになっている。
...数十年前の石油ショックの時の古いニュースで、両手に持ちきれないくらいのトイレットペーパーを抱えて奪い合いする主婦や大人たちの映像を見て、「なんて馬鹿なことをしてるんだ」と嘲笑った世代の人達が、あの当時より馬鹿馬鹿しいデマに踊らされてさらに馬鹿を晒している。

マスクの場合は効き目の有る無しに関わらず、武漢肺炎という正体不明の恐怖に駆られてデマに踊らされるのはある程度理解できる。
(とは言っても、これを儲けのチャンスと見た「転売屋」の存在が人の弱みにつけこみ超高値で転売出来るシステムが存在し続けていることは許せない。
できるだけ早く国が厳罰をもって規制しなければダメだろう...罰金一律1000万円、懲役最低10年は絶対だ!
...それに転売を成り立たせている場を与えているネットの経営者も共犯として、同じ様に厳罰に処するべき。
これは、なんたって必要な人には命に関わるものなんだから。)

しかし、トイレットペーパーの騒ぎはなんだろう。
石油ショックの時の「原材料の石油が入らない」という流説には、ある程度の説得力があった...だが今回の騒ぎの元のデマには、なんの説得力も無い。
ただ、現実問題としてデマと分かっていてもトイレットペーパーが手に入らなくなる事実は困る...あと1巻しか無いという人にとっては「冗談じゃない!」ってことで慌てて買いに行く気持ちはわかる。
結果、ますますトイレットペーパーが足りなくなるという悪循環に拍車がかかるのだが。

こうしたデマの拡散は、昔に比べて「誰でもが情報を発信できる」という今のネット・スマホ環境が原因なのは誰でも理解できる。
「あれが無くなってるぞ!」という情報は、情報の分析の前に「早く行かなきゃ無くなる」の焦りに繋がり、冷静な判断ができなくなり一気に大きな流れとなる。
問題はそれが生活必需品だと、現実に手元に無くなったら本当に困るという事実。
流れに乗らない冷静な人ほど損をしかねないのだ。

見ていると、こうした混乱した情報だらけの世界では「バカほど力を持つ」様だ。
馬鹿は何にも考えずに耳に入った情報で反射的に騒ぎ出す...ネットの世界には、そうした何にも考えない輩が悪意がなくても皮膚反射で情報を広げていくシステムが無数にある。
一応の知的な立場にいる思慮深そうな人間でも、情報に皮膚反射で反応してしまうとあまりにも軽薄で馬鹿なことを発信してしまう...例えば、いわゆる「バカ発見器」と言われるSNSの「バカッター」と言われた人間たちの事件の数々は、己の愚かさを自覚して反省する反面教師として頭にしっかり刻み込んで置くべきだろう。

遅かったけど、国の規制でやっとデマ騒ぎも落ち着きそうだが...今度はタイでカップ麺まで無いとか...メディアがいちいちそういう事を大げさに取り上げるのも、このデマ騒ぎに油を注いでいる様な気がするんだけど。

落ち着けよ!



武漢肺炎・COXID-19は、まだまだこれからどうなるか分からない。