ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

間話休題(閑じゃなく)

冷たい風の下

川からの水は、海を前にして まるで戸惑っているように勢いを緩める 海からの水は、好奇心のかたまりのように 異質な世界へと入り込もうとする 混乱する流れの上で、川しか走れない川船が 繋がれているロープを振り解いて、 海へ出たいともがいているように…

クリスマス・イブ

別にクリスチャンでもないし、かといって仏教徒でもないし... あえて言えば、自分が畏怖を感じる全てのものに神がいる、とでも言うのが自分の「宗教心」か。 海でも、山でも、大木でも、川でも滝でも、古い人工物にでさえ、何かしらの精霊が住む(住んで…

背中伸ばして

ひでえ世の中だ 真面目に働いてるもんが報われなくて 要領が良くて口先ばっかりの奴が楽をする 長い時間かけて鍛えた技術は あっという間にいらなくなって 欲の隙間を見つけた奴が 指一本で大金持ちだ 昔だったら 「お天道様が許さねえ」奴らが 大手を振って…

「ゆうかり」と「竹葉」

ずいぶん長い時間日本酒を飲んで来たけれど、自分の中で一番旨いと感じる日本酒は石川県能登の「竹葉」という酒だ。 まだ若かった20代の頃に、酒好きの年上の編集者に教えてもらって以来そう思っている。 一時期は酒蔵からケースで取り寄せて飲んでいた。 …

一年

もう12月か.. 毎年毎年 同じ言葉を呟く 止まれ という言葉は勿論 せめて、ゆっくり なんて言葉だって聞いてくれやしない どっちみち一年は急ぎ足で過ぎて行く だから どうせ過ぎて行く一年ならば 悲しんで置いていかれるよりも 楽しんですがりついてみよ…

後悔なんか

向日葵は、夏の花。 今はあちこちで「2万本の向日葵が!」とか「10万本の向日葵の迷路!」だとか宣伝されて、観光名所となっている向日葵畑も多い。 ...しかし、正直「向日葵畑の無数に咲く向日葵」の花は、自分の「ひまわり」のイメージとは違ってい…

思い出の夏

海からの風 揺れる麦わら帽子 娘達の麦わら帽子は、何時も結局濡れてしまって ロープに吊るされている 麦わら帽子が、洗濯物用の紐にぶら下がっている頃は 娘達は昼寝の時間か読書の時間 タープの下の日陰のベッドで、それぞれ思い思いに時間を過ごす 目の前…

緑の遊技場

緑の遊技場 緑の遊園地 緑の競技場 緑の闘技場 緑の散歩道 緑の夢舞台 緑の散策路 緑の... 前夜の眠れない興奮と 自信と不安 肯定と否定 ティーグラウンドでの高揚 グリーンを降りる時の落胆 無謀な挑戦と根拠のない楽観 悲しみの失望と自己嫌悪の後悔 あ…

そんな時も...

いろいろあるだろう 俺は 慰める言葉も 励ます言葉も 持っていないから まあ、飲もう そんな時も あるさ それだけの ことさ (ブログ「人・酒・旅」より)

夕陽よ急ぐな

夕陽は海に落ちかけて 空は水色に透けて来て 長い一日だったんだ 燃え上がって燃え尽きて もうすぐ沈むのは知っている だから どうかそんなに急がないでくれ ソンナニイソガナイデクレ (ブログ「人・酒・旅」より)

夜空

夜は ビルに削り取られてしまって 三角の姿しか見せられないでいる 地上には 赤や黄色や青い光がいっぱいなのに 三角形の夜空には 月も星もありゃあしない 俺の上には 何の輝きも無いくせに ウソばっかりの地上には ウソばっかりの光が溢れる (ブログ「人・…

歩き疲れて

ほんのちょっと 疲れて来てるんだ すこしだけ 休ませてくれないか 長い間歩き続けて どこまで行こうとしたのか どこまで行けると思ったのか もう忘れてしまったけど... なあ 少し休んだら また歩き出すからさ (ブログ「人・酒・旅」より)

廃船

海に背を向けて、廃船が独り 潮騒を聞きながら眠っている 塗料は剥げ落ち 金属は錆び、木は朽ちて もう二度と海に出る事はないだろう 俺には 船が海に背を向けているのは 彼の意思のように 見えた (ブログ「人・酒・旅」より)

遠い空を...

久しぶりに家族が揃った時間には かって普通にあった 溢れるような娘達の笑い声が再現される それは遠い夏の日のキャンプや 幼い姉妹が遊ぶ湯船に 何時も溢れているものだった 夏の日のキャンプで何時も願っていた 「この時間を何時までも」 という願いが聞…

疲れたら...

疲れたら 休もうよ もう がんばって来たんじゃない ほんとうは 疲れているんじゃない 逞しさだけ見せようと 心配だけはさせまいと じゅうぶん 無理して来たんじゃない なあ 強いだけの奴なんて 本当はいやしないんだ 心折れそうなのは 感じているんだろ 涙が…

Spring has ...

梅はもう咲き終わったし さくらのつぼみも膨らんで 先週 冬は最後の力で雪を降らしたけれど 花粉に負けて素直に味わえないけれど 世の中なんだか春なんだ... そうね 風は暖かく陽が明るい 猫はのんびり散歩する ...楽しんでもいい季節かも (ゴルフ以…

がんばっても...

練習しているんだけれどねえ... 真面目にやっているんだけれどねえ... 悪いところはわかっているから 自分なりになんとかしようと こんなに努力したことなんて 自分の人生にはなかった様な気さえするんだけれど 報われないもんだねえ 上手くなれないも…

花はどこへも行かない

ああ 開いて咲いて数十年 かって か細く優しく咲いた花 ずっとずっと 咲いたまんまで数十年 花も嵐も踏み越えて 嫌いな奴らを踏みつぶし 色香が落ちれば塗り直し 女は女で数十年 咲いたまんまで数十年 男は灰となり滅びても いつまでもいつまでも花と咲く (…

路上で...

路上で酒飲む男には 人恋しさが丸見えで 聞いて欲しい 話して欲しい 誰でもいいから なんでもいいから 人は目の前を通り過ぎ 言葉は遠くを通り抜け 男は影まで無視される 男は酒にまで無視される 見つけてくれないかくれんぼ ...鬼はここにはいないのか …

たまには...

情けねえ奴だ ふがいない奴だ 意志は弱いし 臆病だし 口先ばかりで お調子者で 楽な事ばかりやりたがる あっちこっちふらついて みんな他人のせいにして 叶わねえ夢ばかり見てやがる どこで道を間違えたんだか はじめっから道なんかなかったか 外面ばっかり…

見つからない...

なあ みんなはじめての道を来て はじめての時を行くんだ もう 帰る事も出来ないし 帰り道なんかありゃあしない 疲れ果てても 飲んだくれても 帰る道など見つかるもんか しょうがないと諦め果てても くそったれと絶望しても つまんなくても行くしかない 知ら…

満天の星の下

東京の下町の空には 星空なんて見えやしない 色とりどりの光が溢れ 人の笑い声が溢れる ガード下の喧噪の中 男は一人酒を飲む 男の周りに光はない 男の周りに人はいない 男は独り 満天の星空の下 そのまた下で 酒を飲む (これはゴルフブログ以外のブログ「…

どんな風に...

流れて来たのか 流されて来たのか いつの間にかこんなところにいる 別に不満もないんだが ちょっと心がちくりと痛む こんな風で良かったの? あんな風で良かったの? まあ どんな風になったって 後悔なんかしないように 本気で生きては来たんだが まだ思い出…

薔薇一輪

通り過ぎようとして 赤いものが一つ 振り返れば 枯れて走る刺に護られて 小さな薔薇一輪 冷たい北風に 震えて高く さて それを見て 俺は青空を見上げる なにか 遠い昔に なにか 忘れたことがあったような (これは、ゴルフ以外のブログ「人・酒・旅」に発表…

朽ちてなを

岸に繋がれて どのくらいになるんだろう 既に底は抜け 枯れ草が身を突き破る 冷たい風 冷たい水の上 それでも 繋がれたロープに抗うように 気持ちは川に乗り出して たとえ 沈んでしまうのがわかっていても ここに繋がれて 朽ちて行くのは嫌だというように (…

モロビトコゾリテ...

モロビトコゾリテ ミンナデシアワセヲ サガシマセウ なんだか 幸せがこの世に溢れているような カミサマが みんなを幸せにしてくれるような 昴やオリオンの輝く空が 祝福で満ちているかのような まあ、いいや 他人もみんな一緒に シアワセになりましょうなん…

繋がれて...

この川船を見かけるとね いつも思うんだ 海には行けない川船も 海に漕ぎ出す夢を見る どうせこのまま朽ちるなら 無理を承知の大洋で 死ぬまで走る夢を見る なんてね なんだか 不細工に浮いている川船が 岸にがっちり縛られて 泣いてるような気がしてね (ゴ…

ジングルベル

街には 華やかなイルミネーションと 楽しそうなジングルベル 立ち尽くす男には 鳴らない楽器と 古びた帽子 どこを向いても明るい光 どちらを向いてもジングルベル ジングルベルが鳴り止まない いつまでも ジングルベルは鳴り止まない (ゴルフではないブログ…

既に線路は取り払われて 踏切の後だけが寂しく残る 目を閉じれば ここを通り過ぎる列車の音が聞こえるようだ この警報機が最後に音を出したのは どのくらい前のことなんだろう いつも線路や踏切に 旅への憧れが湧き上がる ...なかなか「旅」に出られない…

生きている...

本当に この年まで生きているなんてことは 考えもしなかった まだ絵を描いているなんてことは 考えたこともなかった 生きている ではなくて 生かされている ってことなんだろう 偏屈で 不器用で 人見知りで 善人でも 好人物でもない この俺が こんなことして…