ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

シャフトの硬さ

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ヒッコリーシャフトのクラブで遊ぶようになって、改めて感じている事がある。
それはちゃんとしたボールを打つためには、ヒッコリーという木材独特の「しなり」にスイングを合わせなくてはならない、と言うこと。
つまり(自分にっとっては、だけど)ヒッコリーのクラブでは、スチールやグラファイトのシャフトの現代クラブのように、腕力あるいは体力次第のヘッドスピード任せではきちんとボールが打てない...そうした自分都合のスイングをすると、ほとんどがとんでもないミスショットになってしまう。
逆に初めてヒッコリークラブを打つという人でも、何回か素振りをしてシャフトのしなりを感じてそれに合わせて振れば、ちゃんとボールに当たって普通に飛んでくれる。

これはヒッコリーシャフトだから出来ることで、現代クラブでが無理なのかな...なんて考えながらユーチューブの映像を見ていると、林由郎のレッスンビデオを見て改めて感じた事があった。
以前から「名言」にもいくつもあるし、一部のレッスンプロも言っていた意見...「壁にぶち当たったら、一度奥さんのクラブを使って見たらいい」。
どういうことかと言うと、今使っているクラブより「極端に」柔らかいシャフトのクラブを使ってみると、必ずゴルフは変わる...それをヒントに、今目の前にある壁を一気に突破する事が出来るかも知れない、と言うアドバイスだ。

今までに何度かそんなブームもあったし、ツアープロで女性用くらいの柔らかいシャフトを使った者もいた。
しかし、一時的には効果があってもすぐにブームが終わってしまうのは、そうしたクラブを使うと意識的にでも無意識にでも「力が入ってしまった時に大きなミスになる」からだった。
これはそうした「軟らかいシャフト」が、当時の科学レベルでの成果である「グラファイト」で作られたもので、「その軟らかさの特性がまだゴルフスイングに合っていなかった」からだと俺は思っている。
女性用ということで「非力な人が飛ばせるように」だけをテーマに軟らかく作られたものは、力のある男がちょっとでも力を入れれば大暴れしてしまう未熟なシャフトだったのだ。

しかし、ヒッコリーの場合は柔らかいシャフトであっても、以前の女性用グラファイトシャフトほど酷く暴れはしなかった。
これはしなりの特性が、当時の女性用より「不自然」な柔らかさではなかったからだろう。
今、シャフトも進化して軟らかくてもトルクの少ないものや、軽いもの重いものやしなり特性の極端ではないものもいろいろ作られている。
きっと力のある人が振っても大暴れしない「軟らかい」シャフトもあるはずだ。

そこで、林由郎だ。
晩年の彼のレッスンビデオを見ると、どんなショットでも驚くほど彼のクラブがしなっているのが分かる。
ウッドはもちろんアイアンもだ。
そして年老いて若者ほど動かなくなった体でも、そのシャフトの柔らかさを利用して実にうまくヘッドを走らせる。
シニアはコレなのだ!

俺のように体力自慢だった男も、歳をとればあちこち壊れるし動かなくなってくる。
若い頃Xシャフトだったって威張っていようが、歳を取ってからも硬いシャフトを使うのはただの見栄でしかない。
思い切って俺のように変態ヒッコリークラブに転換するか、今使っているシャフトの硬さを数段階下げてみたらどうだ?
そう、奥さんの使うクラブのシャフトくらいまで。
実際に奥さんのクラブを使うと、そのグリップの細さや、シャフトの柔らかさの癖に結構悩まされて、なかなかいいショットは打てないだろうけれど(俺も経験者)、ホールを攻める考え方は変わる筈。
今までと全く違うホールの風景が見えて来る。

そういう今までよりずっと柔らかいシャフトのクラブの使い方は、林由郎の動画を探し出して見ていると良く分かるぞ。
無駄な腕力や体の力はいらない、柔らかいシャフトを駆使してどんな球筋も打てるし、どんな寄せも出来る。
ただ効率良くヘッドを走らせ使うために、彼の動きを真似してみよう。


彼の動きはシニアゴルファーには一番参考になる、と俺は思う。