ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

どんどん不便になる「技術の進歩」

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急に今まで使っていたフォトショップのCS2が使えなくなった。
これは古いマックのG5で使っていたものだが、使い慣れているためか仕事の中心になっていた。
もちろん製品版で買ったもので、フォトショップは4のときからずっと正規のユーザー。
正規の金払って、シリアルナンバーもちゃんとしている正規のユーザーが使用そしていたものがある日突然使えなくなった。
2台のG5のうち1台は起動しなくなり、1台ではソフトが開けない。
ただ、その前のフォトショップの7が開けるので、それでとりあえずの仕事の進行はしている。

で、止むを得ず手に入れておいた中古のimacで通信やネットをカバーしていたが、ここでの画像処理にはクリップスタジオをダウンロードしてごまかしていた。
しかし、常に2台を並行して動かして仕事をするのは不便なので、iMacで使用できるフォトショップのCCとやらを買うしかないのだが、これは以前と違って金を振り込んでのレンタル制でダウンロードして使うしかないらしい。
で、Adobeの案内のままのダウンロード版とやらの年間レンタル料金3万円弱を振り込んで見て、そのあとに気がついた。
別なページでキャンペーンをやっていて、初回は41パーセントオフだと!
「なんだ、これは?」と電話して聞いてみると、「すでに金を振り込んでいるとダメ」だと!
クソ、まるで詐欺みたいな汚ねえことしやがって!
最新フォトショップのダウンロードの案内にはそんなこと一言も書いてなかったのに!

周りではAdobeのやり方は汚い...とは聞いていたけど、こんなこととはね。
大体、正規に買って使っていたCS2が、なぜ使えなくなるのか?
もう古いパワーPC向けのパソコンなんぞ相手にしないってのか?
こうした製品に使用期限なんてあったのか?

私がパソコンに触れたのは1990年ごろのパワーPCがで始めた頃のマックから。
そのあと、G3・G4・G5とイラストを描くための道具として買い換えてきた。
その間にインターネットが驚異的に発展してきて、それを使うことで仕事のやり方大きく変わっていった。
始めは半分趣味として使ってきたパソコンが、仕事をスピーディーに進めるために必要不可欠の道具となっていった。
そのために自分にとってイラスト制作に必要なソフトとして、フォトショップとペインターが中心となって(イラストレーターは使わなかった)、それも時間とともに買い換えてきた。
何しろパソコンというのは世界が初めて体験するものなので、パソコン自体の耐用年数は何年なのか、ソフトの寿命ってあるのか、なんてことが誰も知らないまま流れていった。
そのために私のようにある目的のために使うものには、パソコンもソフトも慣れてくるとまた新しいものに変えなければならないことの繰り返しで、どこで落ち着くのか全くわからないことが続いていた。
ただ自分の買い換える理由のほとんどは、イラストを描くサイズとスピードの向上が大きな理由で、次に「よりアナログに近い効果の表現」の可能性の進歩だった。
それが制作における条件としてほぼ満足のおけるレベルになったと感じたのが、G5の環境。
「パワーPCを使った最後のマック」というところも何か運命を感じたし、フォトショップのCS2にも慣れたしペインターとの組み合わせにも慣れて、「イラストを描く道具」としてこれを使い続けようと思っていた。
ネット環境はさすがに古すぎて新しい環境がないと連絡も取れなくなるので、中古のiMacも買っていたけど、中心はあくまでG5...それが怪しくなってきた。
しかも、iMacで体験版のCS6などを使ってみると今までと使用感覚がまるで違い、使いにくいことこの上ない。
もともとマックの特徴だった「いい加減にやってもなんとかなる」というところが全くない。
いちいち細く指定しなければ、何もできない。
選択肢は無茶苦茶広がったが、シンプルに感覚に従うようなレベルでは何を選んでいいのか全くわからない。
これが進歩なのか?
「なんでもできるけど、全部指定しなければいけない」ことが進歩なのか?
「これやりたいんだけど」でなんとかなる方が進歩しているんじゃないのか?

道具に慣れて、使いこなせるようになり始めた頃に、全く新しい「便利」という名でシステムを一新することが進歩なのか?

俺にとっちゃ、もういいんだ。
これ以上「便利で進歩的なシステム」なんぞ、不便でしょうがねえんだ!
わかったか!

(1年分前払いしちまったから1年間はやむを得ないが、なるべく早くフォトショップ以外の感覚的に使えるソフトを見つけて、そちらに移行したい。
もうこんな会社もソフトもまっぴらだ)。