ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

夏はもう終わり...

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もちろん、暑さはまだまだ続くんだろうけど。

下の娘が歩けるかどうかと言う時代から、20年以上毎年行っていた(夏だけ開いている)根元のキャンプ場は昨日で閉鎖された。
「夏」はもう終わり、と言う訳だ。

幼い娘達が波と遊ぶのを、波打ち際に立てたパラソルの下、足にフィンをつけたままバドワイザーを飲みながら見ていたのは何年前の事だろう。
金が無くても何でも、毎年真夏の一週間を必ずあの海辺で過ごしていた。
バドワイザーをケースで持って行き、テントを二張り、シャワー室を作り、太陽熱で暖まる簡易シャワーの水袋を10個以上砂の上に出し....
毎朝夕食は飯盒でうまい飯を炊き、昼飯はカップヌードルのシーフードかカレー、夕食は銀座明治屋で帝国ホテルかなんかの高いビーフシチューやロールキャベツ、ボルシチ等の缶詰を数種類買い込んで一日一回のプチ贅沢にして...
オレは、朝起きてはビール、海が奇麗だと言ってはビール、子供達を見ながらビール、昼食に夕食にも、風が気持ち良くてもビールを飲んで...2ケース3ケース持って行ったバドワイザーはすぐに無くなってしまったっけ。

今年はまだ夏の海を見ていないなあ...
もう今行っても「夏の終わりの海」なんだけど。

娘が20代半ばを過ぎても何回か行った海キャンプも、とうとう行かなくなってもう暫くの時が経つ。
海のキャンプ道具達は、まだきっと使われる事を望んで物置の隅でひっそりと待っているんだろうけれど...多分もう再びオレがお前達を使ってやる事は無いだろう。

海に遊ぶ人の姿はいつも若い。
何十年も前の海辺の光景と少しも変わらず、強烈な太陽の光を受けて日に焼けた若い肌が眩しく輝く。
...ふいに、いつの間にか自分だけが年をとっているのに気がつく。
「ああ、もう海は自分のいる場所じゃ無い」
「海はいつまでも若いのに自分はもう老人なのだ」

時が流れるのは速い。
季節はあっという間に移り変わる。

夏が完全に終わる前に少しは夏の下に動き出そうかと、今になって考え始める...たとえ重い身体でも、後で後悔したくない、と。

「夏」には負けても、「夏の終わり」とは少しはいい勝負...したい気が...しないでもないからな。