ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

2014年マスターズ 4日目

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結局こうなるのかあ...一番当たり前の結果だったなあ。
B・ワトソンは応援していたからいいんだけれど、マスターズのサンデーバックナインにはもっと心躍るドラマがあると思っていたのに。
スピースが4番でバンカーから直接放り込んだ時には、「これは最終ホールまでもつれる」と思った。
前を行くM・クーチャーもスコアを伸ばしていたし、カプルスも1番2番で連続バーディーと来たし、ワトソンはショットが曲がっていたし。

しかしサンデーバックナインに入ってからは、例年の様な地響きがする程の歓声が起きる事は殆ど無かった...やっぱり彼等「新興勢力」のゴルファーは、まだ「スーパースター」ではなかったなあ。
ミケルソンやタイガー、ニクラスやT・ワトソンやバレステロスなんかが勝つ時には、必ずサンデーバックナインで信じられない様なスーパーショットが飛び出し、コース中に響き渡る驚きの喚声が上がったものだった。
「そんな所からじゃ絶対に寄らない」なんて場所からカップに放り込んだり、「このピンの位置で止めるのは無理」なんて場所からピンそばに打ってきたり、「ここに打ったら2オンは絶対無理」なんて場所からボールをひん曲げて2オンして来たり...
あるいは2パットだって難しいなんて距離の難しいラインを読み切ってきっちり入れたり、とんでもない林の奥から本当に狭い空間をついてグリーンに乗せて来たり...言わば我々から見れば「神業」とも言えるテクニックを見せてくれるのが、「マスターズに勝つスーパースター」だったはず。

しかし今日のバックナインの彼等は、「難しい所に外せば」寄らないし、「難しいショット」はそれなりにうまく行かないし、「難しいパット」は普通に入らない。
それじゃあ普通の上手なゴルファーのゴルフと同じだろ。
見ていてため息しか出ない。

なのでサンデーバックナインの見所は、B・ワトソンの大砲の飛距離だけになってしまった。
まあ...引っ叩いた時の飛距離はさすがにツアーナンバーワン!
特に13番ロングの残りが160ヤード?
それで2打目がウェッジ?
で、イーグルじゃなくてバーディー?

この飛距離で狂わされたのか、スピースは13番も15番もただのパーと言うのが試合をつまらなくした。
実際にティーショットの飛距離が100ヤード近く違えば、プロとして力が入ってしまうのは仕方が無い事か...追いかける方でスコアを伸ばしたのが1アンダーのブリクストとヒメネスだけなんだから、B・ワトソンにとってはプレッシャーも殆どかからず楽な展開だったろう。
おかげで昨日出かかったパットの不安も無くなり、殆ど危なげないバックナインのゴルフ・・見ている方にはつまらないバックナインになってしまった。
(最終日ヒメネス1アンダー、ランガー3アンダー、マキロイ3アンダー、ウォーカー2アンダー、なんてあたりが1日早く頑張ってくれてたらもっと試合はもつれたはずなのになあ)。

B・ワトソンはツアー随一の飛距離を持ちながら、そのスイングは全くの自己流で近代流行のスイングとは全く違い、まっすぐな球は始めから考えずに全てのショットを曲げて攻める。
また飛ばしだけではなく、天性の柔らかいタッチの小技が上手い...個性的魅力は十分にあり、本来ならもっと早く時代を背負うスーパースターになっておかしくないゴルファーだ。

しかし今回は勝つには勝ったが、三日目に見せた様などこかひ弱な仕草から、どうも彼には「ガラスの王者」的なイメージが消し去れない。
もうメジャー2勝目なんだから、今年中にメジャーをあと一つ二つ獲って圧倒的な世界ナンバーワンになってもらいたい...メジャー獲る度にいちいち泣いてるなんて、あほらしくて出来ないくらいに。

(それと...関係ないけど、優勝後に抱き合った奥さん...ワトソンより大きかった...
ワトソン192センチあるんだけど....奥さん、どんだけ?)