ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

マイ・エースアイアンの到着

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今日、MOIマッチング界の巨匠KUROさんに調整していただいた黒トップが到着した。
ずっと遥か昔、不思議な出会いから手に入ったオリジナルのスポルディングの黒トップアイアン。

まだゴルフを始めて間もない頃、パーシモンヘッドのドライバーと糸巻きボールの時代...当時のゴルフクラブは「ウッドはマグレガー、アイアンはスポルディング」と言う評価が世間の常識だった。
マグレガーのウッドはM85、トミーアーマー693などに代表されるクラシックのドライバーに「名器」と呼ばれたものが多かったが、そんなものは値段が高くてとても手に入れる事は出来ず、トニー・ペナやベン・ホーガン、日本製ではヒロ・ホンマ辺りを使うゴルファーが多かった。
アイアンはマグレガーやベン・ホーガンも評判は良かったが、スポルディングのアイアンにはそれらと違う魅力があった...無骨な競技用と言うより、芸術品的な造りの美しさがあったように思う。
特に打つとハードに感じるマグレガーやベン・ホーガンに対して、インパクト時の「柔らかさ」「ボールがくっつくような感じ」というのが評判だった。

自分もこの黒トップを使っていて、特にインパクト時に他のアイアンとは違う「柔らかさ」「くっつく感じ」というのを体感していたので、難しいアイアンだと言うのは判っていながらずっと手元に置いておいた。

ただ、この黒トップは非常に状態の良い新品同様の中古として手に入れたもので、以前の持ち主がロフト・ライの調整をしたらしく番手の飛距離は当時使っていた他のアイアンとほぼ同じだった。
しかし、番手によって右に行きやすいとか左に行きやすいとか、番手間の飛距離に「あれ?」と思うことはあった。

今回、手の怪我によって自分のゴルフ人生の「残り時間」を感じることになり、改めて自分ゴルフスタイルを考えた。
その結果、アイアンはこの黒トップと共にゴルフ人生を全うすると決め、「それならば」とKUROさんにお願いしてMOIマッチング並びにロフトライ角の計測ならびに調整も一緒にお願いした。

KUROさんからは、調整前のクラブの実際の計測値を教えていただいたが...やはり、というかかなりロフトやライ角にばらつきがあった。
そしてその数値を見ると、今迄使っていて「右に行きやすい」とか「左に行く」とか「番手間の飛距離が」なんて感じた事が、「ああ、やっぱり..」と納得する事ばかりだった。

そして、もう一つの以前からの疑問....このクロトップに感じる「柔らかさ」は、鉄の材質から来ているのか?
これはロフトやライの調整で実際に曲げてみたKUROさんから感想を聞くと、「殆どが柔らかかったが、普通よりずっと硬いものもあった」との事。
すると自分の感じている「インパクト時の柔らかさ」というのは、このアイアンのデザインによるものが大きいと言う結果になる(よく銅下メッキのために柔らかい、と言う人がいるが、僅か数ミクロンの厚さのメッキがそれほど柔らかく出来る訳がない...心理的な効果はあると思うけど)。

この黒トップのデザインは、フェースのスコアリングラインの5~8本くらいの部分迄が裏側が肉厚になっている。
以前いろいろなプロに取材した時に、「スイートスポットで打つのはナイスショットではない。自分の意志を乗せて言う事を聞かせるのは下から3本目から4本目で打った球だ」と言う事を聞いた。
普通のゴルフファーはスイートスポットに当てる事を目標としていて、そこで当たると「う~ン、気持ちいい!」とか「会心の当たり!」とか言うけど、プロに言わせると「そこで打ったボールはコントロールが効かない」のだと。
「下から3本目で打ったボールはハーフトップのような感触になるが、飛びすぎず、距離もきちんと出て、スピンもかかる」と。
普通の高重心のアイアンは打ち込まなくてはボールが飛ばず、この下から3本目のラインで打つとかなり手が痺れたような感触になるが、この黒トップは(長いネックのために)見た目よりずっと高重心ながらバックフェースの肉厚なデザインによって、そこで打っても痺れた感じにはならない...むしろいい感触になる...のではないだろうか。

まあ、理屈はどうあれ、私はこのアイアンが一番感触がいいと感じているのは変わりない。

MOIマッチングをしたからと言って、決してゴルフが簡単になってすぐにスコアが良くなる訳は無い。
まして私の様にいろんなクラブを使って来て悪いクセが染み付いてしまったようなゴルファーには、まずその悪いクセを洗い落とさなくてはMOIマッチングしたアイアンの良さを感じる事も難しい。
しかし、去年からMOIマッチングしたミズノのアイアンを使って来て、そのクセが抜けつつある感触を今は感じている...だから、こうして黒トップをお願いして、改めての変態ゴルフ再スタートをするつもりでいるのだ。
おまけに、ライ角やロフトの面で消せない不安を抱えていた黒トップが、そういう基本的な性能の面でも信頼出来るようになったんだから。

手首もなんとか行けると言う感触があり、少し練習場に行って打ち込んだ後...連休明けからはオープンコンペや月例などで変態ゴルフを炸裂させたい(笑)。
今は、久しぶりにゴルフ始めた頃の様にワクワクしている。