ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

2015年「マスターズ」2日目

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朝の中継が始まる時には、既にJ・スピースが14アンダーで単独トップ、というより独走状態が伝えられていた。
その時点で2位グループとは8打以上離れていたが...何故か、俺はスピースがこのまますんなりと優勝出来るとは思っていない。
最近のスピースは確かにショットもいいしパットもいいが、この二日間のプレーはかなりの幸運が味方していたように思える。
ティーショットは何回か木に当たってフェアウェイに出て来たし、アイアンもグリーンやグリーン周りでのキックがいい方へ跳ねる事が多かった。
そしてパットは入れ頃を殆ど全て入れてしまっている他に、ミスパットと思えるもの迄入ってしまうような事があった。
...大体の場合意地の悪い「ゴルフの神様」が、このままラッキーに手を貸し続けてずっと最後迄いい目を見せ続けるなんて俺にはとても思えない。
ある程度の試練を与えて、「それを乗り越えれば優勝させてやる」なんて事はあるかもしれないが。

2日目のカットで、多くの「活躍してくれればいいな」とか「活躍して欲しい」なんて応援していたベテラン達が去って行った。
T・ワトソン、B・クレンショー、F・カプルス、B・ランガー、J・M・オラサバル、M・A・ヒメネス、ウーズナム、ライル....シニアの名手で生き残ったのは、V・シン、M・オメーラくらいか。
現役バリバリの実力者のM・カイマーやP・ハリントン、L・ドナルド、B・スネデカー、J・フューリクが落ちたのは意外だった。

それでも優勝争いでは、何度もメジャーであと一歩迄行きながら惜敗を続けて来たD・ジョンソンが7打差にいるのが楽しみ。
ミケルソンが上がって来たし、柄は小さくてもめっぽう気が強いP・ケーシーもいい所にいるし、何かをやらかしそうなA・カブレラもまだ死んじゃいない。
今迄は大人しい同伴競技者とプレッシャーもなくスコアを伸ばして来たJ・スピースも、これからはスコア順の調子が良くて気合いの入ったゴルファーとの組み合わせになる。
特に前の前の組でD・ジョンソンあたりが強烈にスコアを伸ばして来た時に、スピースが今まで通りのゴルフが出来るか...あるいは前の組のP・ケーシーがパットがいいだけに、その気合いのプレーを目の当たりにしてプレッシャーがかからないか...

上位にいる、ミケルソンやエルス以外のまだメジャーを獲った事のないゴルファーの、3日目の攻撃的なゴルフとスコアは非常に楽しみになる。


今年もB・クレンショーが選手としてのマスターズ参加を引退すると言う。
マスターズを勝ったゴルファーは生涯マスターズ参加の資格を持つが、体力や気力の衰え、故障、病気などで同伴競技者に迷惑となるようなスコアしか出せなくなると、自主的に引退して行く。
往年の強かった時期のプレーを見ていただけに、そういう選手がここを去って行くのを見るのは辛い。
ファルドのように(嫌われる程)強かったのに若くして競技から引退してしまうものや、バレステロスのように病気でこの世から引退してしまうもの...コースの風景は年々美しくなり、祭りは変わらずに華やかに続いているのに、戦うゴルファー達は年々その姿を変えて行き、いつも優勝争いをしていた強者がやがて予選を通るのも困難になり、やがて引退して行く...マスターズ程華やかで明るい中に「諸行無常」「盛者必衰」を感じさせるメジャー競技はない。

「作り物」とか「作為的過ぎ」とか「テレビ用」とか言われていても、この春の祭りが魅力的なのはそんな所にもあるんじゃないか...と俺は思う。

なんだか桜の花の美しさにも通じているのかも、とか思ったり...