ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

信じられない結果!

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旅ゴルフの後半を書くつもりだったけれど、昨日実に面白い事件が合ったのでそっちを書いておく。

25日に私はこのブログで紹介している驚異の「掘っくり返し屋」松村博士と、やはりゴルフ界の博覧強記を誇る背筋380キロの男M氏(実はユニバーサルゴルフ社長)の顔合わせを企画していた。
あまり表に出たがらない松村博士と、目下この分野で孤軍奮闘中のM氏...内心この二人の気が合えば日本のゴルフ界に「大人の魅力」と「歴史の深さと味わい」を加える事が出来る大きな力になると私は思っていた。

3時に話始めた二人の会話は、日本ゴルフ史の微に入り細に渡り、あたかも重箱の隅をつつく様な超細かい情報の交換から、誰も普通のゴルファーが聞いた事が無い様な歴史上のトンデモ話や珍ストーリーまで、4時間以上話続けても種は尽きず....その場に居合わせたクラブフィッター・コーチ・クラフトマンのT氏と私は顔を見合わせて驚き呆れるばかり(笑)。
...まるで聞いた事が無い日本ゴルフ史上の面白い逸話が限りなくボロボロ出てくる(驚)。

そこにもう一名、BoseironFactry会長でMOIマッチングの普及啓蒙活動を続けているファルコン松原氏も乱入して、多分この日この場所が世界で一番濃いゴルフ話で盛り上がっていたんじゃなかろうか。

しかし、さらに・さらに驚くべき・信じられない事実が、この後の飲み会の後に訪れた...

この日、松村博士は「自作」のヒッコリーシャフトドライバーを持参して来た。
ヒッコリーのゴルフもたまに楽しむ私の為に(実は今は楽しもうにも持っていたヒッコリーシャフトのアイアンクラブが折れてしまって、残っているのはウェッジ相当の一本だけになっていた)、わざわざ持って来てくれたもの。
これが凄かった!
ヒッコリーのシャフトは板状態のヒッコリーを、自分で切り分け、鉋やヤスリで削り上げて作り上げたシャフト...ものすごい手間と労力がかかったと言う。
長さは44インチ程で、グリップも自分で作った皮巻グリップにしてあり、ヘッドも何とブロック状のパーシモンを手で削り上げて作り出したもの。
フェースにはインサートは入れず、ソールには水牛の板を削って摩耗止めにし、手動ドリルでヘッドに穴をあけてヒッコリーに繋いである。
糸巻きも見事にしてあり、ヘッド全体は黒く塗装しニスを塗ってある。
要するに、一から十まで手製のヒッコリーシャフトドライバーなのだ。
これに興奮したのが、ユニバーサルゴルフのM氏。
実際に普通に打てる状態の(使える状態)のヒッコリードライバーを触ったのは始めてだと言い、どうしても自分で打ってヒッコリーシャフトのドライバーを体感したいと言う。
確かに知識ではいくら知っていても、その打感や性能は自分で体感しなければ所詮想像上の絵空事
体感出来るチャンスがあれば、絶対に実際にボールを打って感じてみたいとまともなゴルファーなら誰でもそう思うだろう。

そういう気持ちの理解出来る松村氏は、この為に現代でも手に入る非常に高価なヒッコリーゴルフ用のボールと、糸巻きの懐かしいブリジストンの65ボールを持って来てくれていた。

...もう、飲み会の前からM氏は速く打ちたくて気もそぞろ...前回行ったシミュレーションゴルフ場は改装中との事で、ネットで近くのシミュレーションゴルフ場を探して予約,,,満席で2時間待ちなので、M氏にとっては飲み会がただの時間つぶしとなってしまった(笑)。

一杯飲んだ後での試打実験。
ヒッコリー用と糸巻きボールを使う為に他のボールを整理して、M氏の初体験。
「うわあ!」「何だ、これ!」「今まで経験した事無い、いい感じだ!」
もう、興奮。
額に汗して打つ、打つ、打つ!(笑)。
...実はこの時、この為にユニバーサルゴルフから最新の計測器も持って来て、セットしていた。
ゴルフショップの計測器よりずっとシビアな数値が出ると言う機械だ。

最初のうちこそ現代ドライバーのタイミングで打ちに行って良い結果が出なかったものの、ヒッコリー独特のタイミングに慣れてくると驚くべき結果が出て来た。
このヒッコリーシャフトドライバーに糸巻きボールを使って、コンスタントに250~260Yが出る!
「そんなに飛ぶ?」と、試しにそこのシミュレーションゴルフ場で用意してある最新のドライバーを片っ端から振ってみると、平均して10Y程飛ぶという結果が出るものの、同じ糸巻きボールを使う限り差が殆ど出ない。
おまけに打っている当人の感想が、「今のクラブを振る方がずっと力がいる...ヒッコリーの方が殆どクラブまかせで振って行ける」。

ただし、最新のドライバーに最新のボールを使うと、結果は一番飛ぶようになるが...260Yが300Yになるほどではない。
この最新のボールをヒッコリーシャフトのドライバーで打つと、パーシモンのヘッドが割れる可能性が高いので、結果として新しいドライバーと新しいボールの組み合わせが飛ぶという訳だが...
要するにボールが同じなら、飛距離はほとんど変わらないのだ。
...これは、本当は恐ろしい事 。
もっと大きな施設で、大掛かりにこういう実験をやった結果がでても、世にあるゴルフ雑誌に出る事は絶対に無いと断言出来る。

なぜならそれは、莫大な研究開発費や広告費をかけている巨大メーカーが作った高額な最新のドライバーと、研究熱心な一個人が昔からある材料から昔の手順通りに手作りで作り上げたドライバーが、結果性能が変わらないという事だから!

つまり、「強度が増した以外に何十年(何百年?)も、全くクラブは進化していない」という事が真実だったら、巨大なクラブメーカーの言っている事は全て否定されてしまう...当然そんな事を書いた雑誌にはメーカーは広告を出さないし、その実験を認めずに全力でそれを否定する実験を発表するだろうし、広告の掲載されなくなった雑誌は廃刊の危機に陥ってしまう。

でも、これは実際に打ってみた現実。
信じるも信じないも勝手だし、たとえ使えるヒッコリーシャフトのクラブを手に入れても、今売っているボールを使う事が出来ないので普通のゴルファーに選択肢は無い。
しかし、このヒッコリーのクラブの振り心地や打感は圧倒的に気持ち良いと自分も思う。
現代のボールを使えて、この振り心地や打感のクラブを今作る事が出来ないか?
これが、今後の問題。

いずれまた、この件は詳しく書く。(あ、このヒッコリークラブは結局M氏のところに行く事になりました...今後のM氏の徹底的な分析が楽しみ)

そして、この夜の試打用のもう一つのクラブは、ファルコン松原氏製作の0番アイアン。
彼のブログにこれに関するトラブルの件が書かれていたので、その問題のクラブを打たせてくれとお願いしたもの。
そのトラブルの詳細は省くが、彼の持って来た0番アイアン...凄かった。
酔っぱらった後で、普段着で、普通の革靴で、手袋も無く、準備体操もせず、ストレッチもせず、いきなり打った...最初の何球かは、ティーの高さが合わずにテンプラ(この設備のティーの高さが微妙に合わせられない)したが、気持ち良く振れた時には何と260Yが出た!(渾身のフルスイングでは無かった)。
これがあれば3ウッドいらないじゃん...が正直な自分の感想。
う~、欲しい!
MOIもして欲しいし(これもフィッターのT氏に相談したら、M32とM60のセットで調整した方が良いと教えて頂いた)、この0番も欲しい....まず、金貯めなくちゃな(笑)。

という感じで...この日は午後3時から、松村博士の電車が無くなる午後11時まで...驚きと発見と出会いのGB時間は、あっと言う間に過ぎて行きました、とさ(笑)。

ホント、熱い奴らだなあ...