ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

変な女...

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なんか時間が経ってしまったので、ラウンドレポみたいなのは描く気が無くなってしまった。
「あ!」なんて気がついた事も、やりすぎのオーバードゥとなればまた違うミスが出て(笑)。
ただ、いい当たりも多くなり光明はほんの少し見えた様な気が、しないでもない。


メイグラワーのラウンドは、スタートホールパー、2番バーディー...まあ、「今日は何とかなりそうだ」なんて手応えを感じての3番ホール。
...2番アイアンでホールの左側にナイスショットしたので、右側のカート道路からホールを横切ってボールのところまで行き、残り180ヤード5番アイアンを持ってアドレスした途端、「ボキボキ、バキバキ」という異音が!
顔を上げてみると、何とうちの奥さんがカートを運転して...ゆっくりゆっくり右側の立ち木の枝を折りながら走っている。
慌てて「バカ! カートを動かすな!」と叫んだが、カートのエンジン音に消されてか聞こえている様子は無い...うちの奥さんは免許を持っていないのでカートは全て私が運転しているのだが、道が曲っていなくて近い距離だと本人はゆっくりなら運転出来ると思っているらしい。
危ないので声を上げながらホールをダッシュ...息を切らせながら近くまで行って「止まれ!止まれ!」と大声を上げてやっと止まらせる。
「絶対にカートを運転するなと言っただろ!」「大丈夫よ、近いんだし道も曲ってないから」「じゃあ、なんで道路右側の木の枝を折りながら走ってるんだ!」「え?枝なんて折ってた?」
カート道路の右端を走り過ぎて木の枝を折っていたのにも気がつかなかったらしい。
きつく運転禁止を言い聞かせてから、急いでボールのところに戻って息を切らしながら打った5番アイアンは、酷いフックボールとなり左のコースに消えて行った...
うちの奥さんは免許を持っていないが、遊園地などの遊びのカートは好きでよく乗っていたらしい。
...もう二十年以上前の事、どうしても乗用カートを運転したいという奥さんに、自分が横に乗っているんだからと少しだけ運転させたところ、遊園地のカートと同じ様なつもりで急ハンドルを切ったために崖から落ちそうになり、横からあわててまず奥さんをラフに突き落としてから、ハンドルを戻して(崖に落ちるよりは木にぶつけてしまえ)と崖の落ち際に生えていた木に正面衝突させて、カートは止めた。
しかし、その衝撃で私は右手の薬指の中指骨を骨折して、半年以上ゴルフが出来なくなったという事件があった。(そのとき以来私の右手の薬指は短くなってしまい、それまでのようにはグリップがしっくりこなくなった。)
(奥さんはカートからラフの草の上に落としたので、擦り傷だけだった)

その事件のあと、ずっとカートの運転はさせなかったんだけど...もう彼女の記憶からは、そんな事件は消えてしまったらしい。
そのホールからスイングのリズムが狂ってしまい、良いショットと悪いショットが交互に来るゴルフとなってしまった。

まあ、それで終わるなら普通なんだけど...
午後のとあるホール、レディスティーはかなり前だが自分の使うティーよりはかなり左のホールの端にあるので、先にそこにうちの奥さんは行っていた。
そのレディースティーから、何やらあちこち興味深々と行った感じで覗いているのは目に入っていたが...
私がティーショットに入って切り返した途端に、「ギャ~!」との変な悲鳴。
ボールは当たり損ねて右の林へ一直線...
「なに!?」
悲鳴のした方を見ると、うちの奥さんが何やら変な格好で踊っている。
「どうしたの?」と聞いても、「いや、ちょっと..」と要領を得ない。
で、レディースティーへ行ってなにがあったのか問いつめると...奥さんは、そ~っとティーグランドの下を指差す。
そこには雑草の花が咲いていて、イノシシよけの電線がホールに沿って奇麗に張り巡らされている。
「なにしたの?」「あの葉っぱと花が...」
「...」「パチパチ音がしてたから...」「で?」「なんだろうって見ていて..」
「ちょっと触ったら、ビリビリビリー!って...」
「イノシシよけの電線触ったの?」
「いや、電線じゃなくて...葉っぱを...そしたら、ちょっと...」
「バカモン! コースの周りに作ってあるものに何でもかんでも触るんじゃない! あんなもんにかかるなんてお前はイノブタか!」
本人は「わ、まだ痺れてる」なんつって笑っている....(ため息)。

小さな事は普段から色々とやってくれるけど、特にゴルフを始めてから回数が多くなったかも...コースに行くと必ず何かやってくれる。
一見しっかりしている様な外見だが、日々の生活でも普通の人なら信じられない様な「天然」エピソードは数限りない。
娘達は一番身近でそんな母親の犠牲になる事が多く、まだ幼い頃から「自分がしっかりしないと」という感覚になったと大人になってからしみじみと語っていた。
特にキャンプに行った時に信じられないような抱腹絶倒エピソードがあるのだが...これは長くなるのでいずれ。

まあ、20歳から急に思い立って独学で絵を描き始めた、こんな収入の無い才能の無い愛想の悪い性格の悪い世渡り下手の売れないもてないイラストレーターと結婚してくれたんだから文句は無いんだけど。
なにしろ女性に好かれた?のは、これが生まれて初めてだったもんなあ...
憧れの女性はいたけれど、自分の人生は素敵な女性にゃ死ぬまで縁は無いなあ...なんて諦めていた人生が、あの変な女のド近眼と「天然」のおかげでこんな風に人並みに今まで生きて来られたんだから、今更その天然を責めたりは出来る訳が無い。

痛い思いも調子が狂うのも、あの変な女に助けられた人生を振りかえって見れば...まあ、「しょうがない」って結論になる...いや、むしろ「感謝している」、かな。

今もこれからも、楽しくゴルフが出来りゃいい。
スコアが悪くたって、ゴルフは楽しいのが一番なんだから。
...練習しよう...