ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ゴルフクラブの進化とは?

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とりあえず、「ヒッコリーゴルフがディスカバリーチャンネルで放送されました!」をググって、ユーチューブの映像を見て欲しい。
(このユーチューブのアドレスも書きたいのだが、私の古いマックでは文字化けしているので正確に書けないので申し訳ない)

以前「飛ばしっこ」をしている連中と酒を飲んだ時に、偶々松村博士がヒッコリーシャフトにパーシモンヘッドのドライバーを自作して持って来ていた。
ヒッコリーシャフトは板から削り、ヘッドもパーシモンのブロックを手作業で削り上げて作った渾身の一本だったが、酒を飲んでる時に皆が打ってみたいと言い出した。
そこで、ユニバーサルゴルフのM氏が近所のシミュレーションゴルフ場を予約し、みんなで繰り出した。
もちろんそう言う所には最新ギアのドライバーは沢山用意してあり、打ち比べてみたいのは当然の事だろう。
ただし、そこで使っている最新のコースボールは、ヒッコリーシャフトにパーシモンヘッドのドライバーにはちょっとハードすぎる...そこでM氏は昔の糸巻きボール「ダンロップ65」を一つ持って来て、それでヒッコリークラブと最新の460ccドライバー数種類の打ち比べをする事にした。
結果は信じられないものだった...どちらも270y前後で、殆ど差が出ない(M氏が打った時)。
敢えて比べれば、トータルで最新のモデルの方が数ヤード飛んでるか、と言うくらい。
この結果には道具の専門家であるM氏も、週刊ゴルフ誌の用具担当のN氏も「信じられない」と言うしか無かった。
「あり得ないよ」なんて言っても、現実に数字はそう出る。
面白い事に最新のコースボールを最新のドライバーで打つと、M氏もN氏も300yを超える数字を出す。
しかし、流石にヘッドスピード50を超える連中がヒッコリーのクラブを最新のコースボールでフルスイングするのは、破損する可能性が高過ぎるのでやらなかった(もし破損しなければやってみた結果を知りたかったけど)。

その話は、その後他の人に話しても「まさか」「偶々偶然だろ」とか返って来るだけで、そのままになっていた。
が、このユーチューブの映像を見ると、現在でも昔と同じ製造方法でクラブを作っているセントアンドリュースゴルフクラブメーカーの新品クラブであるので、(使用しているボールは「かなり柔らかいボール」との事だけど)ほぼフルショットで実験結果を出している。
この中では松村博士の作った様なヒッコリーシャフトにパーシモンヘッドのクラブが飛ぶのは予想出来たけど、まさか1880年代風のロングノーズクラブ迄もがこんなに飛ぶとは思わなかった。


どうだろう?
ボールが同じなら昔のクラブから、あれだけ宣伝で「前より飛ぶ」と繰り返し言われて来た現代迄の新製品クラブの数々は、1800年代の昔から結局進化していなかったのだ。
ただ、ボールが2ピース・3ピース・4ピースと複雑な構造になり、堅く、飛ぶようになり、最新ドライバーとの組み合わせで使用すると、確実に「糸巻きボールにヒッコリーシャフトクラブ」よりは飛ぶと言うだけだ。
我々は高い金をかけて、クラブメーカーから「前のより飛ぶ」という「カッコいい新製品」を買い続けて来た。
使ってみると、確かにいつも前のクラブより飛んだような気がする...でも、もう数十年も前から「宣伝通りに飛距離が伸びているんなら、いまごろみんな400y打っているはずなんだよなあ..」と言う笑い話がよく言われている。
我々は、「古いものより新しいものの方が絶対に良いはず」という催眠術にかけられているんじゃないか?


確かに飛ぶ事は気持ちいい。
しかし、メーカーの宣伝文句を信じていつまでも右往左往しないように、こんな映像を見て用具の事を少し考えてみた方がいいんじゃないか?