ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ラインのスタンプ...2

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(このスタンプは募集二日目に応募して、以来二ヶ月間「審査中」で、スタンプとして売り出されてはいません)

このスタンプはラインクリエイターズマーケットの募集開始の翌日4月18日に応募したものだが、以来クリエイター名のリジェクト(日本語を入れてしまったため)が一回来ただけで既に2ヶ月以上放置されているもの。
このスタンプ募集というのは「コンテスト」ではなく、一利潤追求会社の営業戦略としての募集であるので、会社にとって「利益になる」「話題になる」という基準で選考するのは当然の事だ。
だから、このように募集初期に応募したものでも会社の望んだ方向と明らかに違うというものは、結局販売承認を拒否されても仕方がないと覚悟している。
...このスタンプを製作した動機が、多分ラインという会社が一番問題にしたくない「ラインいじめ」に関係しているものだからなおさらだろう。

以前、下の娘が高校時代の話だ。
娘は本が好きなので、ヒマさえあれば学校の図書室でいろんな本を読んでいたらしい。
そこで、いつも一人で本を読んでいたクラスの違う同学年の女子生徒と知り合う。
本好き同士で意気投合した娘達は、しょっちゅう会ってはいろいろな本の話やその内容に話が弾む。
しかし、ある時娘にこんな忠告が入る...「あのこと会っていると、xxさんも仲間はずれにされるよ。」
そこで娘が聞いたのは、その女の子が中学時代からいじめられていて高校に入ってもそのいじめが続いていること。
彼女はいつも皆から仲間はずれにされていて、いつも一人でいること・・・図書室に一人でいたのもその為だった。
しかし、娘はその忠告を聞かなかった...「そんなこと私に関係ない」と、彼女と連れ立って帰ったり、彼女の家に遊びに行ったりした...彼女にとって、家に遊びに来た友達はうちの娘が生まれて始めてだったとか。
そうした関係を続けていた時に、卑怯ないじめが起きる。
「xxさんがあんたと付き合っていると、xxさんもあんたと同じ目に遭うんだから!」と。
...彼女は娘と知り合ったのが嬉しかったという言葉を残して、マンションから飛び降りた。

私と娘は激怒して高校と渡り合った。
特に、その少し前に修学旅行の班分けをした時に、先生が「好きなもの同士で班を作れ」と言った結果、彼女一人が後に残されていた....結局、修学旅行は彼女はいつも先生と二人で行動することになったとか...その話を聞いたときは泣いた。
...しかし、いろいろな複雑なことがあってそれはそのまま終わらせた事件だった。
(その彼女の命日はもうすぐ来る...娘とそのときの担任は今でもずっと彼女の家に行っている)

そんなことに自分の無力さを感じていたから、「ラインいじめ」で仲間はずれにされて女子中学生や女子高生が自殺したなんてニュースを聞くと「何か出来ないか」なんていつも思っていた。

そんな時のこのスタンプ募集だ...考えた。
仲間外れにされている当人に「頑張れ」だとか、「仲直りしろ」なんてのは全く意味のない言葉。
私の貧弱な頭が思いついたのは、「群れない女の子」と知り合いになればいい...そんな女の子と友達になれればいいということ。
別に特に可愛いとか頭がいいとかじゃなくていい...喜怒哀楽は普通に感じる普通の子だけど、意味もなく誰かとつるんで誰かと一緒じゃないといられないなんて感覚の全く無い子。
一人で決めて、一人で素直に感じることが出来て、仲良くなりたい為にお愛想なんて言わない子。
頭の中に「angry girl」なんて言葉が浮かんで、眉間にしわ寄せて愛想笑いなんてしないこのキャラクターが出来た。
この子は群れない、でも親しくなった子は絶対に裏切らない、正しいと思ったらみんなが反対してもこのこの味方を絶対やめない。
you are not alone, she is always your side.

なんて英語の出来ない俺にこんな言葉が浮かんで、日本語タイトルが
「勝てなくっても負けなきゃいいんだ」
説明文に
「強くなくても諦めない。勝てなくっても負けなきゃいいんだ。いじめられてもぼっちにされても、あなたは絶対一人じゃない。怒っている彼女が味方。」

まあ、思ったように絵は描けなかったし、こんなスタンプどうやって使うんだ?なんて事はあるだろうけど、いじめられてまいってる子の目にとまってなんかの励ましになればいいなあ...そういう気持ちのスタンプだった。

2ヶ月経っても放置されている状況は、このスタンプが売り出される可能性は酷く低いと思う。
もし間違って承認される様なことがあれば、そういう子達に無料であげたいって思っているけど...果たしてこんなものが応援になるかどうか...それが心配。