ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

敗退記(ラインスタンプ)

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以前、ゴルフ雑誌の若い編集者に誘われて応募したラインのスタンプの話。

ゴルフのスタンプやいじめ問題へのスタンプの他に何点も応募したが...残念ながら100位以内はおろか1000位以内にも入らない惨敗...殆ど売れないで終わりそうだ。
ゴルフ関係のものも、もう1点応募したがこれも芳しくない。
ただ、売り上げ的には良くないものの、たとえば先に出したゴルフのスタンプは日本では1ヶ月で送信数で5~6000、受信数では15000前後だが、英語版の方は主にアジアの国で1ヶ月に送信数10000以上、受信数に至っては100000~150000という数が飛び交っている。
....他のサラリーマンものも含めて、総じて私のスタンプは海外の方が評判が良いようだ。

そしてそもそもこのスタンプ募集に応募する気になった原因の「ラインいじめ問題」...その「いじめられっ子への応援歌」の「勝てなくっても負けなきゃいいんだ」が、総売上では大した事がないもののずっと続いてぽつぽつと売れ続けている(2~3日に一個くらい)。
あんなに普通では使い難い様なスタンプが、1ヶ月で送信数で3000~4000、受信数で15000前後も使われている事に驚く...数少ないあのスタンプが気に入った子が、何度も繰り返し気に入って使っているんだと思うと...これは作って良かったと思う。)

しかし今日紹介するスタンプは、かなり気合いを入れて作り、出来も良いと思い自信があったのに(笑)...殆ど全く売れずに順位としては10000位くらいの不人気さとなったもの。
売り上げは無いに等しく、このスタンプの感覚...つまり自分ではいいと思う感覚やセンスが、この時代の若者にはもう「時代遅れ」としか感じられないのかと思うと寂しい。

一つはネコのスタンプ...一番数も多く競争も激しい分野だけれど、上位でよく売れているものを見ると「かわいい」「ゆるい」ものばかりで、私の好きなネコの「誇り高い」「気難しい」「気まぐれ」「マイペース」「媚びない」「ふてぶてしい」なんてところを描いたものは殆ど無い。
で、そういう私の好きな部分を描いて作ったのがこの「人生を語るネコ!」。
自分の思うネコの40態...上手く描けたと思っているのだが、どうも共感はされなかったらしい...全く目にとまらないまま8000位とか...残念。
やはり、今の「ネコ好き」には私のセンスは合わなかったんだなあ...

そしてもう一点。
ロンリーハートクラブ」...男と女と。
こんなイメージは、私たちの時代のもので古いのかなあ...自分の思っているイメージは描き出せたが、今の人達にとってはただの数十年前の青春なのかも。
やはり、全く受けずに買われなかった。
自分にとっては自信作だっただけに、もうこの二つで戦意喪失(笑)。

まあ、正直に言うと私はラインなんて殆ど使わないし(使う相手が凄く少ない)スタンプなんて使った事もない(自分のも)。
娘達もラインはやってないし、周りでやっているという事もあまり聞かない。
元々私はチャットはやらないし、FacebookTwitterなどの閉鎖的なSNSに参加するつもりは全くないので(だからオープンな環境のブログをやっている)、LINEに参加したのもスタンプという分野で自分の描いたイラストが若者達に受けいられるかどうかを知りたかったため。
あまりに審査期間が長かった為に、待っている間(3~4ヶ月)に色々と描いてみたので、まだ審査が終わってないスタンプが数種類あるが...承認されたところで結果は同じだろう。
結果として、スタンプの上位100位以内なんて入ったものは一つもなかったが、正直なところその100位以内にあるスタンプの殆どが自分では「これが?」という感じだったのも、もう既に「時代と自分の感覚」がずれている証拠だと思う。
その「?」の受け狙いの部分は判っているが、そこに媚びては描きたくないので自分のスタンプには必ず自分の言いたい事を入れて来たのも敗因の一つだろう。

今日ここに上げたスタンプは決して買ってもらいたいからでは無く、「自分の気に入ったイラストが描けたので見てもらいたい」という気持ちからアップしたもの。
こんな機会がなかったらこんなネコや男と女を描く事はなかったから、こんな部分はスタンプに応募した事をラッキーと思っている。
これが描けたので、今はもう全くスタンプ用には描いていない。

しかし!
「受け入れられなかった」という事は事実として認めるしかないが、負けを認めるのは口惜しいなあ...
「オメーラにこれが判るセンスがないんだ!」
と負け犬の遠吠えで言ってみるか(笑)。

(こうして描いたスタンプの売り上げは、九州にいる親友の見舞いに行く資金にするつもりだったけど、とても今年中に溜まる事は...これだけじゃ多分無理だけど、「来年の春には必ず行くからな、待ってろよ!。」)