ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

バンカーは避けようとする程入るもの

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「バンカーというのは避けようとする程入るもの」・・・摂津茂和。

摂津茂和氏は小説家ではあるが、私が愛用している「不滅のゴルフ名言集」をはじめする多くの「ユーモアたっぷりの」ゴルフ関連書籍を書いてゴルフ普及に尽くした人物。
ゴルフクラブ、書籍ほかゴルフ関連の収集家としても世界的に有名だった。

彼の書いた名言やエピソードの紹介の本を読むと、その名言そのものより摂津茂和の言葉の方に思わずにやりとしてしまう「名言」があるのに気がつく。

この言葉もそんな言葉の一つ。
例えばある日のラウンドで、いい当たりが嫌いなバンカーに入る。
次のホールでも、一寸したアンラッキーがあって入れたくなかったバンカーに入ってしまう。
結局その日一日、バンカーを避けようと思って何をしてもバンカーに入り続けてしまう。
誰もが経験しているはずだろう。
「今日はずっと砂遊びをしてしまった」
「砂漠でゴルフしたみたいだった」
なんて愚痴も出る。

色々とやってはみたのに...入れたくないから届かないはずのクラブで打ったのに、あまりに当たりが良すぎた。
右のバンカーを避けたかったので、思い切り左に打ったのにスライスして入ってしまった。
上手く打ったと思ったのに、キックが悪かった。

摂津茂和は「それがゴルフだ」と言う。
「だからゴルフは面白い」と。
これはバンカーに限らず、池でもOBでもクリークや急な斜面でも同じ。
ゴルフのボールは必ず行って欲しくはない方に飛びたがる。
ゴルフをやるならしょうがない事、と。

(ここからは私の勝手な考え方。)
...それは、ボールの自分を痛い目に遭わせた人間への復讐でもあるのだ!
ゴルフをしてみると、素直にボールを引っ叩けば、ボールは自分を引っ叩いた人間の行って欲しくない所を察してそこに飛んで行く。
だから行きたくない方にボールを上手く打つのには「技術」がいる。
本当は直接ボールに言い聞かせるのがいいんだが、それは結構難しい。
なので、自分を上手く誤摩化して演技をして、ボールを騙すのがゴルフの「コツ」なのである。
つまり、ボールを左に行かせたくなかったら、左に思い切り打つんじゃなくて「右に打ってやるからね」と言う演技をして右に振り抜く...そうすると大抵ボールは騙されて右から左に曲がって行く。

バンカーが左にあったら、右に逃げようなんて素振りは見せないで「左に打ってやるからね」って振りをして左に振る...大概ボールは騙されて左に曲がって行く。
高い球を打ちたいときも、「高い球を打ちたい」なんて気持ちを露骨に見せるとボールは地面を転がって行きたがる...だから、そんな時は「低い球を打つよ」と言う振りをして打ち込むように打ってやる...ボールは騙されて空高く飛んで行く事が多い。
低い球を打ちたいときはその反対ね。

面白いのは飛ばしたい時。
「飛んでけ~!」なんて力一杯振ると、ボールは意地悪をして「ヘロヘロ」と力なく飛んで行くか、嫌がってどっちかに逃げて行く。
そんな時は「飛ばなくていいからね」と言いながら、優しく振ってやる...これで結構ボールが騙されて勝手に飛んで行く事が多い。

つまり、ボールってのは単純な「あまのじゃく」と思えばいいって事。
「避けようとしなけりゃ入らない...入れようとすると入らない」って考えればいい訳。
まあ、これは私の考えだから、結果に責任持てませんけどね(笑)。