ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

入れたのは自分自身だ

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「入れたのは自分自身だ、バンカーがあることに文句を言うな」・・・チャールズ・マクドナルド。

チャールズ・マクドナルドは、アメリカゴルフ協会(USGA)の初代副会長にして、第1回全米アマチャンピオン。
ゴルフの伝統擁護の旗手でもあり、「Play the ball as it lies.」を終生実行し、「ゴルフの精神を理解していれば、ゴルフルールは不要である」という言葉を残している。
ゴルフというゲームは審判がついていないのだから、基本的な精神を理解していればルールというものは簡単明瞭なもので足りる、ということなのだろう。

で、この言葉だ。
「なんでこんな所にバンカーがあるんだよ!」
「このバンカーはひでえなあ...ありえねえ!」
「おかしいよ、ここにバンカーがあるなんて」
「バンカーが多すぎない?」
「このバンカー砂がないよ」
「今日は砂遊びばっかり!」
...
こんな具合に文句タラタラになる人、多いんじゃないだろうか。
あるいは
「30センチ左だったら、入らなかったのに」
「もう1メートル飛んだらピンにくっついていたのに」
...
バンカーとはそういうものなのだ。
日本のコースの設計家が悪いとか、意地悪な訳じゃない。
毎年全英オープンが開かれるイギリスのリンクスコースは、誰が設計したとかじゃない「神が造ったコース」なんて言われている所が多いが、バンカーはそういう風に出来ている。
30センチの運・不運で、天国と地獄に別れるくらいに強烈に存在している。
こういうコースで、バンカーに入れたゴルファーが「こんな所にバンカーがあるのはおかしい」なんて言えやしない。
そのゴルファーが生まれる前から、そのバンカーはコースとともに存在していたのだし、それがそこにあるからゴルフコースなのだ。

なにより、ゴルフボールは自分からそんな所に飛び込まない。
ボールを動かしたのは、ゴルファー自身。
それなのに、バンカーがあることに文句を言うのは、ゴルフを否定し自分を否定することになる。

とはいえ...文句じゃないけど、毎度毎度打つたびにバンカーにしか行かないなんて、そんなゴルフのときもある。
逃げても逃げても、ボールはバンカーに飛び込み続ける。
殆どフェアウェイなんか使わずに、バンカーからバンカーを渡り歩いてグリーン横のガードバンカー。
そこでやっとバンカーから出たのに、アプローチがまたバンカーへ...なんて事だって。
「なんでバンカーばっかり...」なんて言いたくなるのもよく判る。

でも、結局自分がやったこと。
ボールもバンカーも悪くない。

そんな日は、「今日は自虐的ゴルフの日なのかも」とか思って、運の悪い、ツキのない、何をやってもダメな、「可哀想な自分」のゴルフを楽しもう。
不運続きでも、「破滅的な自分のゴルフ」の堕ちて行く姿にも、被虐的な喜びがあるのかもしれないから(笑)。

でも、そんなゴルフが癖にはならないように、ご用心(笑)。