ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

少し大きめのクラブで、やさしくボールを打つ。

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「少し大きめのクラブで、やさしくボールを打つ。それがゴルフのコツだ。」...ドン・ジャニュアリー。

ドン・ジェニュアリーというゴルファーは、過去の名手という風なビデオ映像をで見た記憶があるが、長身で痩身のショットメーカーだった様な気がする。
が、調べてみたらこのドン・ジャニュアリーという名前が本名じゃなかった事に驚いた。

本名はドナルド・レイ。
全然違う名前の訳は、ドン・ジャニュアリーはPGAツアーで10勝しているが、それが全て1月の優勝だった事からついたあだ名だったという事。
ただメジャー1勝で、1967年の全米プロに勝っているという事だが、この年の全米プロが1月に行われたという事は無いと思うんだけど...
その他にシニアツアー22勝と合わせてプロとして44勝を挙げているゴルファー。
1976年にはバードントロフィー受賞。
1963年には、カップふちに止まったボールを何と7分間も待っていて、「10秒以内にタップする事」という1964年のルール改正の原因を作ったり...なかなか面白いゴルファーだったゴルファーだったようだ。

さて、この言葉。
このゴルフの名言・格言というヤツ、全てがそれなりに「なるほど」と納得させられる言葉である事ではあるんだけど...
「そんな事判ってる!」
「知ってるさ1」
なんて、ほぼ常識の様になっていても、実際にやろうとするとこれほど難しい事は無いなんて名言がよくある。

この「大きめのクラブでやさしく打て」と言う言葉なんかもその最たるもの。
やさしく打つ...それが出来る人は、もう上級者の部類に入るゴルファーだ。
普通のゴルファーは「やさしく打つ」なんて考えると、タイミングが狂ってろくな当たりにならない。
フルショットとの違いはスイング中の力の加減を変える事なんだけど、どこの力加減を変えれば良いのかが難しい。
あるいはヘッドスピードを落とす事なんだけど、どうすれば上手くヘッドスピードを落とすかが難しい。

クオーターショット、あるいはハーフショットでも良いんだけれど、これもコースでは実際にラウンド経験が豊富でないと加減は(距離を合わせるのは)非常に難しい。
勿論大きめなクラブを使うんだけれど、力の加減は多くの場合はダフリ・トップの多発につながる。
その結果多くのゴルファーは「加減してミスするなら、フルショットの方がマシだった」なんて考える事になる。

「大きなクラブでやさしく打つ」事が出来る様になる為には、絶対に練習場での練習やラウンドでの失敗経験・成功経験が必要なのだ。
その経験が無いと、「大きめのクラブでやさしく打とう」としたショットはその人のいつものスイングのどこかが「緩んだだけの」スイングになる。

個人的な感想だけど、そういうショットを打ちたいと思ったら「グリーンは手前から攻める」と言うセオリーを無視する事にした方が良い。
前半の9ホールは、全て大きめのクラブで「奥につけても良い」と言う気持ちで打つのだ。
やっていると意外にそのショットは奥に行かず、ピンに重なる距離になる事が多い。
「きっと大きくて奥に行くだろうけれど、それで良い」と思って打つショットは、無意識に身体がちゃんとスイングしながら調整しようとしている様な気がする...つまり自分の身体の運動神経とセンスを信じるといい結果が出る、みたいな。
敢えて、身体に意識でブレーキをかけながら自信無く「やさしく打とう」とするより「害がない」とも言える。

普通は「奥でも良い」と考えて打つと、本当にいつもより良い当たりになって奥に外す事が多くなる。
プレッシャーが小さくなって、いつもより良い「本来のスイング」が出来たりするのだ。
でもそれで良いと繰り返していると、多分ピンに近づくショットになって行く。
それが、「やさしく打つ」なんだと覚えれば良い。

小さめのクラブでフルショットは、ある程度ゴルフをやっていると失敗の少なくなる方法なんだけど、その先にある上級者への壁を越える事が難しい。
この「大きめのクラブでやさしく打つ」を覚えると、コースの攻め方が劇的に変わる。
それはアイアンショットでも、アプローチでも、ウッドクラブのショットでも、ティーショットでさえ使える究極の技術だとも言える。

ちなみに私めは、昔出来た時もあったけれど...今は腰痛の所為もあって、上手く行かなくって四苦八苦...
ホントにねえ...ゴルフってヤツは、油断すると下手になるんだから奥が深いわ(笑)。
でも、それがこのゲームが長い時間楽しめる理由かもしれない。

次のラウンドこそ、自分もそういうつもりのショットで楽しむ「つもり」。