ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

フォロースルーは関係ない

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「フォロースルーは関係ない ボールを打つ運動の全てはクラブヘッドがボールを打つ前に作られる」...アーノルド・パーマー

アーノルド・パーマーは、ツアー62勝、メジャー7勝。
キングと呼ばれたゴルファーだが、何より今の世界のゴルフブームの基を作ったスターだった。
「ゴーフォーブレイク」の言葉を掲げての「ピンしか狙わない」超攻撃的なゴルフは、当時普及しつつあったテレビにぴったりと合って「時代を代表する」人気者になった。
「アーニーズアーミー」と呼ばれた熱狂的なファン達の出現も、それ以前のゴルファーには無かったものだった。

というアーノルド・パーマーの言葉だが、今の時代に一般的になっているスイングの常識とは逆に感じる事だろう。
今はレッスンプロの多くが「インパクト後のフォロースルー」や、フィニッシュの形を重要視するレッスンをしている。
インパクトにこだわるな」、とか「ボールを打ったあとのクラブヘッドの軌道が」とか、「フォローを高く」とか、「左に振り抜け」とか、「フィニッシュをイメージ」とか...
どれも正しい事なのだけど、そもそもこれらの言葉は「インパクトに集中しろ」とか、「コックをためてヘッドスピードを上げろ」とか言われて来た昔からの教えに対する「目のつけどころの違う」新しいレッスン用語として生まれて来たもの。

旧来の教えの「インパクトに集中する事」は、多くのゴルファーに「インパクトでボールに当てさえすればいい」ことと勘違いされて、結果的にインパクトで減速するように振ってしまうゴルファーを多く出現させてしまった。
そんなゴルファーは、当然飛ばないし、振り切れないし、窮屈なスイングになりやすく、上達も遅い。
そんなゴルファー達を変えようとしてレッスンプロ達が言い出したのが、この「フォロースルー」や「フィニッシュ」のイメージなのだ。

本当は、インパクトのあとの格好なんて関係ない。
アーノルド・パーマーは、バックスイングからインパクトまでが「我々が出来る事の全て」で「考えなくちゃいけない事の全て」だって言う。

身に覚えはあるはずだ。
フォローでの軌道を気にし過ぎて、フィニッシュの格好を気にし過ぎて、肝心のインパクトがおろそかになっていたと感じた事があるだろう?
格好いいスイングが出来たと思ったのに、自分のイメージに近いスイングが出来たのに、ボールは全然納得のいく様な飛び方をしてなかった事。
「良いスイングなのに大ミスショット」になった事。

実際に、インパクトまでにしっかりと自分の力を集中してボールを打つ事が出来たなら、インパクト以降の大きなフォローや奇麗なフィニッシュなんて無くていい。
最近は打つ人が少なくなった「パンチショット」なんてその典型だ。

パーマーの言うように、「打つまで」に気持ちを集中させる。
今の教えの潮流に逆らって、「インパクトまで」に集中だ。
これ、「最近なんだか当たらなくなった」と感じる人に、凄く効く。