ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

巡礼(番外)

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ちょっと重い旅になりそうだったので、何度も行けない九州をそれなりに楽しむ事も考えていた。

最初に来た10年前は、阿蘇や長崎、天草の観光も少しした。
2年前の2度目の九州は、もろにあの東北大地震に重なってしまい、観光どころではなく必死のとんぼ返りとなってしまった。

今回は、ヤツの体調や金子さんの奥さんの都合が判らなかったので、観光地の観光というより急に空いた時間に行ける場所の見当をいくつかつけていた。
その一つが「端っこの駅」。
自分は特に「鉄っちゃん」ではないのだが、廃線跡や所謂「秘境駅」なんてモノに興味がある。
仕事が終わって寝る前の晩酌の時、「旅チャンネル」でやっている「秘境駅」シリーズや廃線跡を訪ねる番組を見ながら飲むのが好きだった。

旅する事が大好きなのだが、時間的にも経済的にも自由な旅をする事は不可能に近く、せっかくのキャンピングカーで自由な流れ旅をというのは今現在夢のまた夢。

そこでこの九州の旅は、おんぼろレンタカーで窮屈な移動ではあるけれど、ヤツに会う時間や金子さんの所に行く時間以外はそんな行きたかった場所に極力立ち寄る事にしていた。
私が行きたかったのは、色々な駅。
うちの奥さんは「お城」...(最近は娘共々「歴女」になってしまって、よく娘と東北の城巡りなどしている)

まずは到着した日が半端な時間しか無く、次の日にヤツに会う前に一走り...鹿児島からJR指宿枕崎線の「西大山」駅に行った。
ここは「鉄っちゃん」の間では、沖縄にモノレールが出来るまでは「日本最南端の駅」として有名で、秘境駅としても知られていたと聞いていた。
あいにくの曇り空で正面の開聞岳の姿は見えなかったが、西大山駅自体は想像よりずっと奇麗な状態で静かに佇んでいた。
以前旅チャンネルの「秘境駅」で見たよりは、ベンチもトイレも奇麗で、花壇の手入れも行き届き、看板や説明図も整備されていた。

そしてもう一つ、長崎の松浦鉄道の「たびら平戸口駅」。
ここも沖縄のモノレールが出来るまでは、「日本最西端の駅」として有名だった駅。
ただ、ここは車通りの多い普通の道路の側にある町中の駅だった。
本州最西端の碑が建っている意外、「ここが最西端の駅か」と言う感慨に浸るような雰囲気は無かった。

でも、車で走っている時に島原鉄道廃線跡や長崎や熊本などの路面電車を見ると、心が動く。
路面電車には中学・高校と都電で通学した思い出が蘇るし、雑草が生い茂る線路跡にはかって栄えたものの夢の跡を感じて胸が痛む。
...もう、軽い「鉄ちゃん」になっているのかもなあ...