ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

晩酌と「夏目友人帳」

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晩酌は、もうずっと欠かさない。
一日くらいは飲まない日を作ればいい...と言う事は判っているんだけど、一日の終わる儀式が自分には必要だ。
別に身に過ぎた不満なんぞあるはずは無いんだが、心騒ぐ日も心落ち着かない日も時にはあるから。

以前は旨い日本酒を探して飲んでいたが、酒飲みは意地汚いのでどうしても飲み過ぎてしまう。
そこで数年前から、「カロリーゼロ」「プリン体ゼロ」「糖分ゼロ」を謳う安い缶チューハイの350cc缶を日に2本と決めている。
そして以前はここで本を読んでいたのだが、これも面白いものだと時間を忘れてしまうので、最近はずっとケーブルテレビの番組を見ている。
酒を飲みながら、旨い肴になるのはロードムービー的な番組。
例えば旅チャンネルの旅番組...「秘境駅ファイル」とか「ルート66の旅」とか。
一番好きなのは、ヒストリーチャンネルの「アメリカンピッカーズ」...アメリカの片田舎を掘り出し物を探して旅を行くのだが、それぞれの名も知らない土地での古い品物とそれにまつわるエピソードや、それらを集めた人間の人生模様が実に興味深い。
商売の仕方も「安く買い叩く」という姿勢がないのに好感を持てる。
反対に見ていて嫌なのがラスベガスの質屋の話「ポーンスターズ」...売った人間が安く買い叩かれて不満を持ち、買った方は安く買えて儲けたと言う姿が気分が悪い。
他にディスカバリーチャンネルの「サバイバルゲーム」や「ゴールドラッシュ」「秘境生活」「アラスカ鉄道」等が面白い。
それにナショナルジオグラフィックチャンネルの「廃墟ハンター」とか「ハイウェイレスキュー」とか「巨大建造物」とか宇宙ものやトンデモ理論ものなんかも面白い。
他にゴルフネットワークや何もなければ歌謡ポップスチャンネル迄が、晩酌の摘みとなっている。

そこに、昨日からテレ東の「夏目友人帳」が加わった。
これは今風アニメの典型の様なキャラクターのアニメだが、数年前に偶然目にした所そのテーマが気に入ってしまった。
翌朝娘に「なんとか友人帳って言うアニメが気に入った」「あれ知らないか?」と聞いたところ...夜になると娘が友人から借りたと言う十数冊の漫画本が積み上げられていた。
テーマは能力のあった祖母が関わり合った妖(あやかし)達の名前の載った帳面をめぐるお話。
少女漫画の様なキャラは気に入らなかったが、そのテーマにある「人と妖の時の流れの違い」にまつわるエピソードの数々は、物悲しく暖かい。
...自分も、こういう話を漫画で描きたかったなあ、としみじみ思ってしまう。
(実は妖怪やSFやファンタジーなお話は大好きなのだ)
「日々消耗品の様なイラストを描き続けて行くより、こうした作品を残したかった」...それが心の底の正直な気持ち。
多分あの時代、こうした道を選んだら娘達を食べさせて行く事は出来なかっただろう...それは確かな事だけど、今迄歩いて来た人生を間違っていたとは決して思わないけど、ふとそんな事を考えさせてしまうアニメなのだ。



そんな気分にさせてくれる晩酌時間は、俺の一日で貴重なもの。
日々反省し、考えても酒の上...朝になれば、やっぱり同じ様な一日を始めるんだけどね。