ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

青春ゴルフ

イメージ 1

他人から言われて気がつくんだ。
「俺はもう、老人か?」

40の頃にゴルフを始めるまでは、普通に年を取っていたはずなんだけど...
あれから何年経ったんだか、覚えている気がないから思い出せやしない。
でも、年の近い連中がやれ定年だとか、年金がどうだとか、孫がどうだとか...果ては、誰が病気で入院したとか、誰が昨年死んだとか...
いつの間にか、俺にゴルフを教えてくれた人や、永久スクラッチだなんて約束したやつはクラブを置いてしまったし。

気がつけば「いいねえ、まだ若くて」とか、「やっぱり若い人は飛ばすねえ」なんて言われていた俺が、いつもパーティーの中の一番の年長者になっている。
「へえ、そんな歳なんですか!」とか、「若いですねえ!」と言われていた外見も、今ではなんにも言われない。
でもね、俺は相変わらずティーショットはせめてパーティーの中では一番飛ばしたいし、セカンドオナーになるのは絶対嫌だし、「安全に」出すだけなんてゴルフはやらないし、「行く」か「刻む」かなら、100パーセント「行く」に決まってる。
「飛ぶ」って評判のドライバーがあればなんとしても手に入れたいし、「飛んで止まる」なんて新設計のアイアンはぜひ使ってみたい。
ずっと気持ちは変わっちゃいない。

ゴルフに行く前の夜は、興奮して寝付かれない。
昔小さな頃の、遠足に行くの前の夜とおんなじさ。
雨の予報なんて時には、今だって「てるてる坊主」をぶら下げたいくらい。
それに、スタートホールのティーグランドに立つときの、ホールの向こう側から希望の光が射してくるような高揚感は、ゴルフ始めたときから同じだし。

...ボールは相変わらず期待を裏切って飛び、跳ね、転がり...いつだって何本ものクラブを担いで右に行ったり左に行ったり、ホールを駆け回るのも変わらないけどね。
紙に記録する数字だって、ずっと同じようなものだし。

でもね、それが楽しいんだ...面白くてしょうがない。
なんか、ゴルフの神様...俺にとってはボギーおじさんかダボ姉さんだな...がね、一緒に遊んでくれてるような気がしてさ。

ティーショットで打ったボールのところに、カートから降りて駆けつけるときなんか、つい「イヤッホー!」なんて声が出てしまってさ。

ゴルフやってると、自分の年なんて忘れてしまってね。
自分はゴルフをそうやって楽しんでいるんだけど...ひょっとすると周りは迷惑してるのかも。

ゴルフは「人生」じゃなくて、「青春」さ...なんて思ってる。
俺は、やっぱり、おかしいのかな...



(尊敬する人生の先輩、E・Tさんの話です)